西京区の谷

2013/09/25

先日の台風による豪雨でK川本流沿いの林道はまたも通行止めになってしまった。この夏通れたのはわずか数日だったことになる。他の谷は通れたが豪雨の影響は凄まじく、アブ谷などは河原に生い茂っていた草が一本残らず流されて消失してしまったほどだ。虫草もほとんど見られない。
K川は当分見込みが無いので、25日は自転車でちょっと遠出して京都市は西京区のS川沿いの谷に行ってみた。この谷では昨年7月にジムシヤドリタケの坪を見つけており、実は今年も7月と8月に一回づつ見に行っているのだが、残念ながら一体も出ていなかった。
大きな豪雨被害があった嵐山に近い場所なのでかなり荒れているのではないかと予想していたが、意外にも前回来た時とさほど変わらないおだやかな景色だった。最近の豪雨が極めて局地的なことが伺える。
さて、ジムシヤドリタケの坪に着いてさっそく調べてみたが、今回もやはり出ていなかった。昨年がたまたま当たり年だったのか、今年がたまたまはずれ年だったのかはよくわからない。ただ重複寄生のシロサンゴタケが3体見つかったので、この場所に宿主のコガネムシ幼虫がいることだけは確認できた。
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Polycephalomyces sp.
Host: larva of Coleoptera. Place:Kyoto. 25 Sep. 2013


ところでこの場所はタイワンアリタケの坪でもある。タイワンアリタケは宇治市や猪名川町でも見つかっているが、京都市内ではここ以外では確認されていない。低木の地上10cm以下の葉裏に付いたチクシトゲアリから発生する。
7月に調べた時にはストローマが伸びていないものや結実していないものばかりだったが、8月には多くのものが結実していた。
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Ophiocordyceps unilateralis
Host: ant. Place:Kyoto. 10 Jul. 2013


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Ophiocordyceps unilateralis
Host: ant. Place:Kyoto. 06 Aug. 2013


ところが今回は数多く見つかったもののほとんどが7月に見たものと同じく未熟なものばかりで、結実したものやその残骸は全く見られなかった。
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ari130925b.jpg
Ophiocordyceps unilateralis
Host: ant. Place:Kyoto. 25 Sep. 2013


これは何を意味するのだろうか? 一旦結実したものが未熟な状態に戻ることはありえないので、今回見つかったものは一ヶ月半の間に新たに生えて来たものと思われる。それでは8月にたくさんあった完熟個体はいったいどうなってしまったのだろう? 今回見つかった中にアリの体の一部だけが残っているようなものがいくつかあった。そういうものは軽く手で払っただけで簡単に落ちてしまった。つまりタイワンアリタケは結実して胞子を出し終われば自然に落ちて無くなってしまうのではないだろうか?
近縁と思われるイトヒキミジンアリタケが胞子を出してしまった後も何年も干涸びた状態で残っていることを思えば意外な感がある。そういえば干涸びたタイワンアリタケを見た記憶はない。

ついでにS川に流れ込む別の谷を調べたところツクツクホウシタケが一体見つかった。かなり大型だったので掘ってみると、予想通りツクツクホウシではない大型のセミ若虫が出てきた。
周りを調べたが他には見つからず、かなり離れた場所で普通サイズがもう一体だけ見つかった。
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Isaria cicadae
Host: nymph of cicada. Place:Kyoto. 25 Sep. 2013

  1. 2013/09/27(金) 20:57:19|
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