冬虫夏草の文化誌

2012/09/05

このブログはこれまで野外での虫草の探索や観察の記録を載せてきたが、今回は私もかかわった一冊の書籍を紹介する。

『冬虫夏草の文化誌』 Cultural History of Vegetable Wasps & Plant Worms

奥沢康正 著、石田大成社 刊、2012年7月発行、A4版、上製本884頁オールカラー、ケース入り、ISBN978-4-9906553-0-3、定価31,500円(税込)  

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Cultural History of Vegetable Wasps & Plant Worms, Yasumasa Okuzawa, 2012, ISIDATAISEISYA (Cover art by Shigeo Otake=ignatius)

まず広告ちらしの文章をそのまま引用する。

>日本・中国・西洋の古文献を渉猟し、長年にわたる著者自らのフィールドワールの成果も加えて、2000点を越える文献図譜、生態・顕微鏡写真を採録し解説した全884ページの大著。菌類学、博物学、生態学、分類学、あるいは医史学、あらゆる側面からの研究を集大成し、コラムも楽しい話題豊富な冬虫夏草研究書の決定版。<

著者の奥沢氏は眼科医で京都の虫草仲間の重鎮でもある。以下に同じちらしから紹介する。

>奥沢康正(おくざわ・やすまさ)
1940年、天保年間から続く京都の医家に生まれる。大阪医科大学卒業後、京都府立医科大学・大阪府立医科大学眼下助手などを経て、京都市に開業。医学童話や医史学に関する著書多数。菌類学への造詣も深く、『きのこ童話集』(1994)、『きのこの語源・方言事典』(1998)、『毒きのこ今昔』(共著 2008)などを執筆。日本医史学会常任理事、日本眼科学会会員、日本菌学会会員、日本ペンクラブ会員。眼科・外科医療博物館理事長。受賞歴に日本菌学会教育文化賞(2006)、文部科学大臣賞(2010)など。<

内容は以下の通り。

第Ⅰ章 冬虫夏草への誘い
第Ⅱ章 日本・中国の冬虫夏草図譜の歴史
第Ⅲ章 冬虫夏草図譜の歴史と冬虫夏草属の各論
第Ⅳ章 冬虫夏草研究の過去と未来をみつめて
第Ⅴ章 冬虫夏草と漢方・菌類と眼疾患
第Ⅵ章 はてしない冬虫夏草探索
第Ⅶ章 資料編

一部を画像で紹介する。

第Ⅱ章から。この章では多数の江戸時代の図譜類の画像を収録している。また明治以降の科学雑誌等に載った冬虫夏草の図像も網羅している。写真は柚木常磐の『冬虫夏草生写』(1801)の一部。
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From Chapter 2

第Ⅲ章から。この章の前半では西洋の文献にあらわれた冬虫夏草の図像を集めている。
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From Chapter 3

第Ⅳ章から。この章では様々な冬虫夏草研究を載せているが、最後に冬虫夏草を題材にしたアートを紹介しており、このページには私(大竹茂夫=ignatius)の作品が載っている。
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From Chapter 4

第Ⅵ章から。この章では野外での冬虫夏草探索を扱っており、その大部分を『京都府・大阪府の冬虫夏草』が占めている。これは約130種の冬虫夏草・昆虫寄生菌を収録する図鑑であり、東、大竹、奥沢、梶山夫妻、坂根ら京都の虫草仲間が撮影した写真によって構成されている。
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From Chapter 6

私がかかわっているのはまず表紙絵だが、第Ⅳ章にも私の作品がいくつか作品が載っている。しかし何と行っても一番大きくかかわっているのは第Ⅵ章の図鑑だ。私を含め京都の虫草仲間が何年にもわたって協力して作り上げたものだ。

この本は先にも書いたようにA4版で884ページに及ぶ大著であり(重量なんと2.8kg)、発行部数も500部と少ないこともあって価格も非常に高くなっている。もちろん内容からすればそれだけの値打ちはあるのだが、極めて専門的なので広く一般の読者にお勧めするわけにはいかない。

一般の書店で見ることはまず無いと思われるし、試しに購入してみるには高価すぎる。ネットでも表紙以外は公開されていないと思われるので、今回ここで紹介した。

興味を持たれた方は私のホームページのこのメールアドレスにお問い合わせ願いたい。
  1. 2012/09/06(木) 14:25:45|
  2. 文献、書籍|
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  4. コメント:1
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コメント

興味津々なのですが、私ノヨウナ初心者には上級過ぎるのかな。本当に何にも知らないデス。じっくり考えようと思いつつもコメント残します
  1. 2012/09/21(金) 02:20:50 |
  2. URL |
  3. 辻井潤子 #JQhrIsqM
  4. [ 編集]

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