ヌメリタンポタケとタンポタケ3

2009/01/13

年が明けてだいぶたつが寒いのであまり出かける気になれない。ちょっとK寺裏の山林に行って、追培用にタンポタケヌメリタンポタケの幼菌を採ってきた。年末の時点ではヌメリタンポタケは確認できなかったが、実は出ていたと見えてかなり大きくなっていた。後で年末に撮った写真を確認すると、確かにヌメリらしきものも混じっている。幼菌の段階では非常に見分けが付きにくい。左がヌメリタンポタケ、右がタンポタケ。
tan_nume90113.jpg
left=Elaphocordyceps longisegmentis, right=Elaphocordyceps capitata
Host:Elaphomyces sp. Place:Nagaokakyo. 13 Jan. 2009


ヌメリタンポタケ
nume90113a.jpg
Elaphocordyceps longisegmentis

タンポタケ
tan90113.jpg
Elaphocordyceps capitata

ところでこの二種だが、今迄タンポタケを(Elapho)cordyceps capitata、ヌメリタンポタケをCordyceps canadensisとしてきた。しかし最近の海外の文献ではC. canadensisC. capitataのシノニム(異名)扱いになっている。タンポタケとヌメリタンポタケは胞子の大きさなどではっきり別種とわかるはずなのに変だなと思っていたのだが、ネットでゴソゴソ調べてみたところようやくある論文に辿り着いた。

Typification of Cordyceps canadensis and C. capitata, and a new species, C. longisegmentis. J. Ginns 1988.

内容をかいつまんで述べると次のようになる。

Cordyceps canadensisのホロタイプ標本を調べたところ二次胞子の長さが違う二つの分類群が含まれていることがわかった。元記載に一致する方の分類群はC. capitataのシノニムとされ、もう一つの(長い二次胞子を持つ方の)分類群にはC. longisegmentisという新名が付けられた。

この新名が付けられたほうの特徴を読むとヌメリタンポタケとよく一致する。今迄ヌメリタンポタケの学名をCordyceps canadensisとしてきたが、どうやらC. longisegmentisとしたほうがよさそうだ。さらには菌生虫草の仲間は2007年にElaphocordycepsに移されているので、ヌメリタンポタケの現在の学名はElaphocordyceps longisegmentisということになる。試しにこの名前で画像検索してみるとヌメリタンポタケと同じ種類と思われる画像が出てくる。

そういうわけで冬虫仮装館の標本室のヌメリタンポタケの学名をElaphocordyceps longisegmentisに変更した。尚、このブログの過去の記事は変更しないが、これからはE. longisegmentisを使うことにする。

それにしても専門家はとっくにこのことを知っていたはずだが、論文が発表されて20年もたつのにまだ一般に情報が廻ってこないというのはどういうことだろう。
  1. 2009/01/13(火) 18:03:59|
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