にぎやかな葉裏

2007/10/31

K川へ。この季節になるとさすがに地上生のものはみかけなくなる。朽木生と気生を中心に探すことにしてクモ谷に入る。例によって小型のギベルラがたくさんみつかったが、特に変わったものはない。
川岸の斜面を調べると朽木から早くもヒメクチキタンポタケの幼菌がニ体みつかった。細いストローマをたくさん出しているが、これが全て成熟するわけではないようだ。
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Cordyceps annullata
Host:larva of Coleoptera. Place:Nagaokakyo. 31 Oct. 2007


川岸の葉裏を調べるうちに何種類もの昆虫寄生菌で埋め尽くされたアオキの葉をみつけた。特に珍しいものでもないが、この時季は獲物も少ないので持ち帰ることにした。

持ち帰った葉。小さな葉だが色々な種類の寄生菌がついている。
071031f.jpg
Host:scale insect. Place:Nagaokakyo. 31 Oct. 2007

一部を拡大してみた。
071031p.jpg

中央の黄色いものがホストのカイガラムシだ。

赤いもののうち充分に膨らんだコブ状の部分を検鏡してみると予想通りネクトリアの仲間と思われる子嚢胞子が見えた。おそらくNectria flammea(猩紅病菌)だろう。
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Asci and Ascospore of Nectria sp.

黒いものは同じ種類のものが古くなったものだろう。赤味が残るコブ状の部分を検鏡してみるとやはり同じ子嚢胞子が見えた。こちらはすでに発芽している。
N_sp71031d.jpg
Ascospore of Nectria sp.

赤いもののうち白っぽい筆状の突起が出ている部分を検鏡してみると、大型の三日月型の分生子が見えた。ネクトリアの不完全型のフザリウムだろう。おそらくFusarium cocophilum
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Conidia of Fusarium sp.

糸状の分生子柄
F_sp71031c.jpg
Conidiophores of Fusarium sp.

白いものはお馴染みのトルビエラだが、別によく成熟したものを採集した。
071031i.jpg
Torrubiella sp.
Host:scale insect. Place:Nagaokakyo. 31 Oct. 2007


今回は珍しく子嚢胞子を確認できた。糸状で二次胞子に分裂しない。隔壁は非常にわかりにくい。(油滴が多いのでメルツァー液で処理をした。)
T_sp71031c.jpg

T_sp71031a.jpg
Ascospore of Torrubiella sp.

薄赤紫色のものは菌糸叢しか確認できなかった。未熟なトルビエラ(ハダニベニイロツブタケ)かもしれない。

  1. 2007/11/02(金) 10:19:27|
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コメント

おひさしぶりです♪

>小さな葉だが色々な種類の寄生菌

画像を見たとき、
ignatiusさんの作品かとおもってしまいました。笑
それぞれの色彩と形状がなんとも素敵~
  1. 2007/11/15(木) 22:41:34 |
  2. URL |
  3. こるじせぷす #-
  4. [ 編集]

ほんの5mmほどの間に様々な形や色彩がみつかるのは感動的で、病み付きになります。作品につながることもあるかも・・
  1. 2007/11/17(土) 00:29:35 |
  2. URL |
  3. ignatius #ysthiAkw
  4. [ 編集]

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