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2006/06/05虫草仲間のK野さんと久しぶりに虫草探索に行く。K野さんは皮工芸作家で虫草を題材にした作品も作っている。(K野さんの虫草作品はMOOKきのこ2号所載)今回は滋賀県方面を調べる予定で、山科駅で待ち合わせてK野さんの車で出かけた。この二人で出かける時はたいてい新坪探しが目的だが、地図だけで見当をつけて行き当たりばったりで探すのであまり多くの収穫があった試しがない。今回は
オサムシタケと
コガネムシタンポタケを目標にした。どちらも今頃の季節に出る種類だが京都市周辺では見かけない。ところが隣の滋賀県には分布しているという。
最初に近くの寺へ。いかにもオサムシタケが出そうな場所だが、見つからない。次に大津市のM寺へ。ここは広大な敷地を持つ寺でよさそうな場所もたくさんあったのだが時期が早過ぎるのか一つもみつからなかった。梅雨明け頃に来ればセミ生の虫草がみつかりそうな場所だった。
狙いを切り替えて南東の山に向かう。最初に入った山は岩肌が露出している所が多く、ハイキングにはよさそうだが虫草には少し明る過ぎる場所だった。さっさと切り上げてさらに南東へ。川沿いの道路を進み、車を停めて徒歩で山道に入る。しばらく進んだところですぐ下の杉林を見るといかにも
オオセミタケが出そうな雰囲気だ。

林床に降りて調べるとすぐに白いぜんまいのようなものが見つかった。
マユダマタケの重複寄生を受けたオオセミタケだ。

周りを調べると古くなって萎びかけたオオセミタケが続々とみつかった。十五、六本も見つかっただろうか。最盛期を一ヶ月も過ぎているのでもう終わりかけだが、それでもこれだけ残っているということは、最盛期には数十本も出るような坪なのだろう。すっかり脆くなっていたので何本かギロチンしてしまったが、かなりの数を掘り出すことができた。私は今年は既にかなりオオセミタケを見つけているので、マユダマタケの重複寄生を受けたものだけをもらってあとはK野さんに譲った。その後沢沿いに探索を続けたが特に収穫はなかった。
目標にしていた種類は見つからなかったが、かなり優秀なオオセミタケの坪が見つかったのは一応の収穫といえよう。

これも重複寄生を受けていると思われるがまだマユダマタケが出てきていない。

マユダマタケの重複寄生を受けたオオセミタケの頭部。
持ち帰ったマユダマタケを検鏡してみた。今年はいろいろな寄主に付いたマユダマタケを比較してみようと考えている。まず手ごろなサンプルが手に入ったわけだ。

分生子。今迄の見たものと特に違いはない。

分生子柄頭部。この外側に粘液状の固まりになった分生子が取り囲んでいるのだが、それを取り除いたところ。突き錐状のフィアライドがびっしりと並んでいる。

少し押しつぶしてみた。

頭部だけではなく、柄の部分にもフィアライドが見られる。やや短く根元がふくらんでいる。
こうしてみると
Hirsutellaの仲間のように見える。フィアライドが輪生していないので
Paecilomyces属とは思えない。
清水図鑑では
Paecilomyces sp.となっているのだが、どうしてそうなのかよくわからない。この辺りの事情を御存じの方はお教え願いたい。
- 2006/06/07(水) 17:25:43|
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