ヌメリタンポタケとタンポタケ1

2006/03/23・24

グループ展や学校行事等で忙しく雨も多かったので、随分長いこと山に行かなかった。久しぶりにK川へ。ハガクレ谷沿いではまだ何やら工事が続いているようなので、本流沿いの道を進んでハナヤスリタケの坪を見に行った。

hanaya60323.jpg
前に見つけていた個体はかなり大きくなっていて、近くにもう一本新しいのが出ていた。さらに探して小さなものをもう一本見つけた。

tan60323a.jpg
少し離れたところでタンポタケも見つかった。こちらのほうはかなり広い範囲にたくさん出ていたが、まだ最盛期には遠いようだ。他にも何か出ていないかと探してみたが何もみつからなかった。

翌24日、昼食ついでにK寺に出かけた。

nume60324a.jpg
ヌメリタンポタケはかなり伸びていたが、完熟まではいかないようだ。タンポタケもまだ小さい。ここでは両種が混じって生えていて、ちょっと見ただけでは区別がつきにくい。

tan60324a.jpg
この写真では左上の端の一本だけがヌメリタンポタケで、あとはタンポタケだ。1cmも離れないで隣合っているが、もちろん別々の寄主についている。何体か掘り出して持ち帰った。

tan60324b.jpg
左の2体がヌメリタンポタケCordyceps canadensisであとはタンポタケCordyceps capitataだが、右の2体がK川産で、中の5体がK寺産。K川産のほうが少し青味が強いようだ。

nume60324b.jpg
ヌメリタンポタケのほうは頭部がやや平べったい感じで色が濃く、ヌメリというより蝋のようなつやがある。孔口がやや突出しているようだ。

tan60324c.jpg
タンポタケの方は頭部がやや尖りぎみで色はやや淡く、つやがない。しかし濡れている時は区別がつきにくい。柄はヌメリタンポタケのほうは黄色味が強いが、どちらも頭部の色を少し淡くしたような色で基部に近づくに従って白っぽくなる。寄主はどちらも同じでキツチダンゴのようだが、アミメツチダンゴにつくこともあるようだ。
  1. 2006/03/24(金) 20:12:46|
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キツチダンゴ

先々週、タンポタケを探しに生駒の山まで行きましたが見つかりませんでした。ところで、キツチダンゴ(Elaphomyces japonicus)は日本産の標本を基に1916年にLloydにより記載された種ですが、現在はツチダンゴ(E.granulatus)のシノニムと考えられています。また、従来、和名ではアミメツチダンゴ(E. muricatus f. variegatus)と言われていた品種は現在は、E. muricatus f. muricatusと同じと考えられています。ただ、後者の和名、ワナクラツチダンゴは、秩父の和名倉山にちなみ、清水先生が名付け、吉見先生が広めたようですが、汎世界種ですので、秩父の名山とは言え、日本の一地方の山の名より特徴を現しているアミメツチダンゴの名を残したほうが良いと、私は思っています。
  1. 2006/03/26(日) 18:34:33 |
  2. URL |
  3. トリフィ #4eg7mJls
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Re:キツチダンゴ

 大谷(1988)においては,E. japonicus は E. granulatusのシノニム扱いですね.
 E. muricatus f. muricatus と E. muricatus f. variegatus とは,一応は独立させられてます.殻壁中に混在する血管状の線条の色調が異なる点で区別できる・・・という Trappe(1976)に賛意を表して,私としては両者を独立した品種として扱いたいと考えていますが.

 清水氏も吉見氏も,学名や和名の選択については大変に無頓着であったように思います.
 同好会誌の誌上や,スライド講演会の資料などの上で,次々と新しい呼び名を作ってしまったり,その訂正をまた,別のローカルな(仲間うちでの)資料の中で行ったりしてるので,混乱を招いてますね.

 E. muricatus f. muricatus について,大谷(1988)は和名を当てていませんので,ワナグラツチダンゴの名も正式発表されていないのだと思われますし,私用しないほうがいいと考えています.
  1. 2006/03/27(月) 13:45:01 |
  2. URL |
  3. イグチ 潔 #YSMFrnbw
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Re2:キツチダンゴ

トリフィさん、イグチさん、コメントありがとうございます。
E.granulatusのつもりだったのですが、勘違いでキツチダンゴとしてしまいました。去年の記事ではちゃんとツチダンゴとしていたのに・・
そうですか。キツチダンゴはツチダンゴのシノニムだったのですね。

今回採集の寄主については検鏡して再検討してみるつもりです。まだ未熟のようなので追培中です。
  1. 2006/03/27(月) 19:02:45 |
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  3. ignatius #ysthiAkw
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イグチさんご教授ありがとうございます。アミメのある土団子については、日菌報に出たTrappe(1976)のコメントに従って、一時期網目の菌糸を随分と見ましたが、皆菌糸に褐色の顆粒の無いmuricatusタイプばかりでした。網目の有無で種が分かれるE.granulatusとE.muricatusは汎世界的で、変異も非常に多そうです。Trappeはどの標本を基に論じたかは不明です。これだけ広く分布する種が、Elaphomyces属を論じたVittadiniの著書にE.varoegatusだけが出て、E.muricatusが出てこないのは、やはりVittadiniが先に出たmuricatusを見落としていたと考えるほうが妥当と私には思えます。
ちなみに蛇足ですが、E.muricatus f. variegatusは1961年にCerutiが変更した事になっていますが、原著を見る限り、正式な手続きによるものには思えません。
  1. 2006/03/27(月) 21:04:17 |
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  3. トリフィ #4eg7mJls
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