久しぶりのウスキサナギタケ

2012/08/29

この日もK川。ハガクレ谷の上流で分岐する別の谷を調べた。ありふれたクモ生以外特に珍しいものは見つからない。かなり調べた後、ハガクレ谷に戻る途中でハナサナギタケを見つけた。普通はこのようなありふれた種類は目がかってに避けるのだが、先日のツクツクホウシタケのこともあり調べてみる気になった。ところがよく見ると黄色っぽいものが混じっている。有性型のウスキサナギタケだ。ここK川ではもう10年以上見ていない。
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Cordyceps takaomontana
Host: pupa of Lepidoptera. Place:Nagaokakyo. 29 Aug. 2012


久しぶりの収穫に気を良くして、帰り道は斜面を念入りに調べながら進む事にした。するとすぐにまたハナサナギタケが見つかった。これにもウスキサナギタケのストローマが混じっている。普段なら見逃していたかもしれない。
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Cordyceps takaomontana
Host: pupa of Lepidoptera. Place:Nagaokakyo. 29 Aug. 2012


ウスキサナギタケは普通種とされているが、意外と見つからない種類だ。最近WEB上でもウスキサナギタケの記事が続けざまに2件アップされた。もしかしたら今年は有性型が出る何らかの条件がたまたま整ったのかもしれない。

持ち帰ったウスキサナギタケ
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Cordyceps takaomontana
Host: pupa of Lepidoptera. Place:Nagaokakyo. 29 Aug. 2012


以前ウスキサナギタケを採集した時にはまだ顕微鏡を持っていなかった。したがってまともに検鏡するのはこれが初めてだ。


子嚢殻。
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perithecia of Cordyceps takaomontana

子嚢。
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asci of Cordyceps takaomontana

子嚢胞子はヌンチャク形。
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ascospore of Cordyceps takaomontana

ついでにアナモルフ(無性型)のハナサナギタケも検鏡した。分生子形成細胞と分生子。
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conidiogenous cells and conidia of Isaria tenuipes
  1. 2012/08/31(金) 15:49:17|
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ツクツクホウシタケの坪

2012/08/24

夏の間はK川の川筋を一つづつ巡ることにする。この日はアブ谷。何度かの集中豪雨で山道はかなり荒れた感じだ。川に降りて葉裏の調査。目立つのはハガクレシロツブタケだけで、他のものはなかなか見つからない。ふと川岸の斜面を見るとかなり大型のイザリア型虫草が目に入った。なんだハナサナギタケかと思ったが、よく見るとどうも違う。なんとツクツクホウシタケだ。周りを見るとあちらにもこちらにも出ている。何と総計30体ほどもあった。実を言うとK川流域でこの種を見るのは初めてだ。10年以上通っているのにだ。
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Isaria cicadae
Host:nymph of cicada. Place:Nagaokakyo. 24 Aug. 2012


ツクツクホウシタケは京都市の東山でも出ているし、高槻市でも出ているのだが、どういうわけか長岡京市では見た事がなかった。この時季には葉裏ばかりで地面をあまり見ていないので、見逃していたのかもしれない。有性時代のツクツクホウシセミタケも探してみたが、見つからなかった。

その後川の中を通って調べたが、クモ生虫草を一体見つけただけで、特に目新しいものはなかった。
帰りは川から上がって山道を通ったが、至る所で落石や倒木が道をふさいでいたり、崩落があったりで、およそ道の体をなしていなかった。よほどの豪雨だったと思われる。

持ち帰ったツクツクホウシタケ。一応検鏡もしてみたが、以前に見たものと変わるところはないので、ここでは省略する。
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Isaria cicadae
Host:nymph of cicada. Place:Nagaokakyo. 24 Aug. 2012


今回唯一みつけたトルビエラ型のクモ虫草。コゴメクモタケとも違うし、何なのかよくわからない。検鏡もしてみたが未熟のようで胞子は確認できなかった。
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Torrubiella sp.
Host:spider. Place:Nagaokakyo. 24 Aug. 2012

  1. 2012/08/27(月) 20:37:44|
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アブラムシのトルビエラ

2012/08/15

クモ谷調査の続き。川に入って両岸の葉裏を調べる。クモ生以外にもハガクレシロツブタケやカイガラムシ生のトルビエラなど、いつものメンバーは普通に見つかる。アブラムシ生のHirsutellaもこの時季よく見かける種類だが、この日はアオキの葉裏にかなり盛大に付いていた。一部はマユダマタケの重複寄生を受けている。
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Hirsutella sp.
Host:aphid. Place:Nagaokakyo. 15 Aug. 2012


何枚もの葉裏からアブラムシ生の虫草が見つかったが、その中にトルビエラの子嚢殻が付いたものがあった。アリやハゴロモやシャクトリムシハリセンボンに付いたものが過去に何度か見つかっているが、アブラムシに付いたものはこれが初めてだ。
アリに付いたものはアリノミジンツブタケ、シャクトリムシハリセンボンに付いたものはフタイロスカシツブタケと呼ばれる。
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Torrubiella sp.
Host:aphid. Place:Nagaokakyo. 15 Aug. 2012


子嚢殻。
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perithecia of Torrubiella sp.

子嚢
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asci of Torrubiella sp.

子嚢と二次胞子。子嚢胞子は分裂して真四角の二次胞子になるが、後に丸くなる。
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asci and part-spores of Torrubiella sp.

この種だが、Torrubiella formicarum Samson et al. 1989 と同じではないかと思う。外見も検鏡データもよく似ている。
  1. 2012/08/20(月) 15:35:41|
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