黄色のクモ生不明種

2012/08/15

連日かんかん照りの猛暑、かと思えば降れば降ったで地形が変わるほどの集中豪雨。これではなかなか山に出かける気になれない。そんなわけでずっと家に籠っていたが、意を決してK川に行ってみることにした。大雨の2日後ということで心配していたが、やや水量が多く濁っているという程度でそれほど荒れている感じではない。
久しぶりにクモ谷を調べる。クモ生虫草はAkanthomyces novoguineensisやギベルラの仲間がいくつか見つかった程度で数はあまり多くない。そんな中で久しぶりに見つかったのが黄色のクモ生不明種。これは持ち帰り検鏡してみることにした。そのほかアブラムシ生のトルビエラなども見つかったが、これについては次回に記す。
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Torrubiella sp.
Host:spider. Place:Nagaokakyo. 15 Aug. 2012


持ち帰った黄色のクモ生不明種
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Torrubiella sp.
Host:spider. Place:Nagaokakyo. 15 Aug. 2012


検鏡してみた。

まずはクモの体表を被う黄色い菌叢から出ているギベルラ型の分生子柄から。Gibellula pulchraと同じように見える。
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anamorph of Torrubiella sp. (Gibellula pulchra ?)

次は子嚢殻。
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perithecia of Torrubiella sp.

子嚢殻を包んでいる菌叢にはsinanamorphと思われるGranulomanus型の分生子が見える。
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sinanamorph of Torrubiella sp. ?

子嚢は非常に長い。
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asci of Torrubiella sp.

子嚢胞子は二次胞子に分裂する。
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part-spores of Torrubiella sp.
  1. 2012/08/20(月) 11:59:49|
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2012虫草祭(その2)

2012/08/01

虫草祭で持ち帰った標本を撮影した。まずミヤマムシタケ。寄主はゴミムシの仲間の幼虫だと思われるが、種までは特定できなかった。
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Ophiocordyceps macularis
Host:larva of Coleoptera. Place:Towada. 27 Jul. 2012


サビイロクビオレタケ。寄主はアブの仲間の幼虫。
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Ophiocordyceps ferruginosa
Host:larva of Diptera. Place:Towada. 28 Jul. 2012


カバイロヒメハリタケ。寄主はコメツキムシの仲間の幼虫。
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Cordyceps fuscoperitheciata [nom.ined.]
Host:larva of Coleoptera. Place:Towada. 29 Jul. 2012


アシグロクビオレタケのようだ。寄主はコメツキムシの仲間の幼虫。
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asi120801a.jpg
Ophiocordyceps niguripoda
Host:larva of Coleoptera. Place:Towada. 29 Jul. 2012

  1. 2012/08/03(金) 08:45:25|
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2012虫草祭(その1)

2012/07/27~29

今年の虫草祭は青森県の蔦温泉。27日は朝から新幹線を乗り継いで新青森へ。そこから十和田湖方面行きのバスで蔦温泉に向かう。
途中車窓から見える風景も、すぐに入って行きたくなるような見事なブナの森だ。午後3時頃到着。早速探索に出かけるが、宿のすぐそばからすでに絶好の坪。たちまちのうちに見た事の無い虫草に行き当たった。どうやらミヤマムシタケのようだ。
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miyamu120727b.jpg
Ophiocordyceps macularis
Host:larva of Coleoptera. Place:Towada. 27 Jul. 2012


その日はそれだけで満足して温泉に入って後夕食。
翌28日、Aさんたちから5時起きして探索に出ようと誘われていたのだが、目が覚めたらとっくに5時は過ぎている。しかたなく一人で出発。前日とは反対方向に歩き、入り易そうな場所に来たので森に入る。ミヤマムシタケを探して地面を嘗めるように調べるが、全然見つからない。ふと目を上げると低い木の枝先にアリが留っている。ルーペを出してよく調べると、頸の周りにコブのようなものが見えた。コブガタアリタケだ。その他には特に見つからず、朝食時間になったので宿に戻った。
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Ophiocordyceps pulvinata
Host:Ant. Place:Towada. 28 Jul. 2012


後にコブガタを見つけた話をすると、古参の会員の方々は一様に驚いていた。ここ蔦温泉を含む奥入瀬渓谷では過去4回の虫草祭を含め何度となく調査が行われているが、この種が見つかったのは初めてということだ。この知らせが伝わるや、若いメンバーが相次いで新しいコブガタの坪を見つけた。この種は地面ばから見て歩く虫草屋の盲点に入っていたのだろう。

朝食後、皆で少し離れた場所に探索に出かけた。ここは朽木生種とエゾハルゼミタケの坪というが、エゾハルゼミタケは先日大山で充分見ているので、他の種にしぼった。朽木生はムラサキクビオレタケなどがあったが未熟なものが多く、ほとんど採集はしなかった。完熟したサビイロクビオレタケがいくつか出ていたので一つだけ持ち帰った。未熟なムラサキクビオレタケ。
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Ophiocordyceps purpureostromata
Host:larva of Coleoptera. Place:Towada. 28 Jul. 2012


サビイロクビオレタケ。
sabi120728a.jpg
Ophiocordyceps ferruginosa
Host:larva of Diptera. Place:Towada. 28 Jul. 2012


午後は総会の後、懇親会。

29日もまた5時起き探索のお誘いがあったが、今度は起こしに来てもらえたので参加できた。
朝食後、本番の探索会。沼巡りの遊歩道がその舞台だが、ブナの巨木の間を渓流が流れるまさに理想的な森で、どこから手をつけていいかわからないほどだ。しかしあまりに見事過ぎるためあちこち目移りがして、なかなか坪を絞り込めない。あちこちで発見の歓声が挙がる中、未熟な朽木生種をいくつか見つけただけだった。いつの間にかルートから外れてしまったらしく、周りに人の気配がなくなってしまった。少し心細くなり始めたが、ようやくいい感じの朽木が見つかるようになってきた。初めて見る虫草がいくつも付いている。あとで調べたらカバイロヒメハリタケという種類のようだ。
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Cordyceps fuscoperitheciata [nom.ined.]
Host:larva of Coleoptera. Place:Towada. 29 Jul. 2012


同じ木にサビイロクビオレタケも付いている。
sabi120729.jpg
Ophiocordyceps ferruginosa
Host:larva of Diptera. Place:Towada. 29 Jul. 2012


本来のルートに戻ろうと森をさまよう内にまたいくつか虫草を見つけた。これはアシグロクビオレタケのようだ。これも初めての種類だ。
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asi120729b.jpg
Ophiocordyceps niguripoda
Host:larva of Coleoptera. Place:Towada. 29 Jul. 2012


他に未熟なクチキツトノミタケと思われるもの。
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Ophiocordyceps stylopora?
Host:larva of Coleoptera. Place:Towada. 29 Jul. 2012


結局なんとか本来のルートに戻れたものの、集合時間がせまっており、他の皆はとっくに帰ってしまったらしく姿が見えない。山道をほとんど走るようにしてやっとのことで宿に辿り着いた。途中よさそうな場所がいくつもあったが、調べることができなかったのは残念だ。
  1. 2012/08/01(水) 21:35:36|
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