御近所巡回10

2012/06/22

梅雨に入って数日、虫草がいろいろ出てきているはずだが大雨の翌日なのでK川には行きにくい。とりあえず近所のK寺裏を見てみることにする。やはりクモタケが出始めているが数は少ない。
コガネムシハナヤスリタケの坪へ。2週間ほど前に調べた時には影も無かったのだが、やはり2体出ている。
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Ophiocordyceps nigrella
Host:larva of Coleoptera. Place:Nagaokakyo. 22 Jun. 2012


同じ場所でコメツキムシタケも見つかった。この場所では以前にも何度か出ているが、ここ数年は見ていない。まだ未熟だ。
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Ophiocordyceps agriotidis
Host:larva of Coleoptera. Place:Nagaokakyo. 22 Jun. 2012


やはり同じ場所でツブノセミタケも何体か見つけた。以前からよく見る場所だが、この場所は寄主が深い所にいるので掘る気にはならない。
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Ophiocordyceps prolifica
Host:nymph of cicada. Place:Nagaokakyo. 22 Jun. 2012


さらに進んで朽木を調べる。以前は今頃の時季にはクチキムシツブタケがたくさん出ていたものだが、最近では少なくなった。かなりの時間探してようやく1体だけみつかった。やや未熟だ。
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Ophiocordyceps cuboidea
Host:larva of Coleoptera. Place:Nagaokakyo. 22 Jun. 2012


その後昼食に行ったが、途中で通りがかったO寺でもクモタケが出ていた。K寺よりも多い。一体だけ持ち帰った。
クモタケは土中の巣の中のキシノウエトタテグモから出るが、菌糸に被われていてクモの姿は見えない。古いものでは寄主のクモは分解されてしまっているが、今回採集したものはまだ新しいので菌糸を取り除くとクモの形がはっきり見える。
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Nomuraea atypicola
Host:spider. Place:Nagaokakyo. 22 Jun. 2012

  1. 2012/06/25(月) 21:40:41|
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シロネハナヤスリタケではなかった。

2012/06/13~

猪名川町某所を訪れてから早くも2週間、13日はトリフィことM井さんと一緒にその後の様子を見に行った。一応シロネハナヤスリタケと同定した菌生虫草の坪に行ってみると、新たに10体以上が出ていた。この2週間で出てきたというわけだ。ところが何体か掘り出してみると、すべてが寄主のツチダンゴと柄が直結していて、シロネハナヤスリタケのように細根で寄主と繋がっているものは一つもない。どうやらシロネではなかったようだ。一応、菌生不明種としておく。
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Elaphocordyceps sp.
Host:Elaphomyces sp. Place:Inagawa. 13 Jun. 2012


前回見つけておいたハエヤドリタケはまだ完熟していなかったが、持ち帰って追培することにした。
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Ophiocordyceps dipterigena
Host:adult of fly. Place:Inagawa. 13 Jun. 2012


他にはヒメクチキタンポタケ、マルミアリタケ(寄主はムネアカオオアリ)、黒僵病菌(寄主はカミキリモドキの仲間)などが見つかった。
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Ophiocordyceps formicarum
Host:adult of ant. Place:Inagawa. 13 Jun. 2012


M_A120613a.jpg
Metarhizium anisopliae var. anisopliae
Host:adult of Coleoptera. Place:Inagawa. 13 Jun. 2012


その後、以前M井さんがシロネハナヤスリタケを見つけた場所にも行ってみたが、一体も見つからなかった。

持ち帰った菌生不明種。シロネハナヤスリタケと違い、寄主のツチダンゴから直接子実体が伸びている。他によく似た種類にタンポタケモドキがあるが、この種は結実部がもっと膨らんでいて柄との境が明瞭なのに対し、今回の不明種は全体がスリコギ状で結実部は膨らまず柄との境が明瞭ではない。
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Elaphocordyceps sp.
Host:Elaphomyces sp. Place:Inagawa. 13 Jun. 2012


検鏡結果は以下の通り。

子嚢殻。
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perithecia of Elaphocordyceps sp.

子嚢。
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asci of Elaphocordyceps sp.

子嚢胞子。
humei120613f.jpg
ascospore of Elaphocordyceps sp.

さて、シロネでもタンポタケモドキでもないとすればこれは一体何だろう?
K.YことY本さんの指摘では2008年に中国で記載されたCordyceps guangdongensis(広東虫草)という種類によく似ているという。
私もネットで検索して論文を見てみたが、外形といい検鏡データといい、非常によく似ている。
Y本さんにも標本を送って調べてもらっているので、そのうち何か興味深い結果が得られるかもしれない。
  1. 2012/06/17(日) 18:35:36|
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猪名川再訪2

2012/05/31〜06/01

猪名川町から持ち帰った標本を洗浄して撮影した。まずは不明の菌生虫草。細根状になって寄主に繋がり地中部が白色であること、全体の形や色、寄主などから考えてシロネハナヤスリタケと思われる。以前一体だけ採取しているが、群生しているのは初めてだ。
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sirone120530h.jpg
Elaphocordyceps ×jezoensoides?
Host:Elaphomyces sp. Place:Inagawa. 30. May. 2012


寄主のツチダンゴは京都辺りで見かける普通のツチダンゴに比べてやや赤味がかっていて、外殻の疣状突起は薄く緻密な印象がある。中心部は黒色で緻密。直径1cm以下と小さいが未熟なためか?以前採取したシロネハナヤスリタケの寄主とよく似ている。(同種か?)
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Elaphomyces sp. Place:Inagawa. 30. May. 2012

小さなアリタケは洗ってみると寄主はチクシトゲアリだった。この種にマルミノアリタケが付くことは珍しいので一応検鏡してみたが、普通のマルミノアリタケの胞子と全く変わらなかった。
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Ophiocordyceps formicarum
Host:adult of ant. Place:Inagawa. 30 May. 2012


不明のクモ生のトルビエラは長岡京で過去2回採取している種類だが、全長6.5mmと小さい。
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Torrubiella sp.
Host:spider. Place:Inagawa. 30 May. 2012


極めて小さな子嚢殻を採って検鏡してみた。

子嚢殻。
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perithecia of Torrubiella sp.

子嚢は未熟のようで胞子は放出されていない。この種の胞子はヌンチャク形だといわれているが、子嚢の内部を見ると確かにそのように見えるものもある。しかし全てがヌンチャク形だというわけではなさそうだ。
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asci of Torrubiella sp.

最後はタイワンアリタケの重複寄生菌。
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Sporothrix? sp. on Ophiocordyceps unilateralis
Host:adult of ant. Place:Inagawa. 30 May. 2012


分生子柄束を一本採って検鏡した。分生子形成細胞を見ると分生子が分離した跡の小歯状突起がいくつも見える。どうやらSporothrixの仲間のようだ。
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conidiogenous cells of Sporothrix? sp.

分生子
spo120530b.jpg
conidia of Sporothrix? sp.
  1. 2012/06/01(金) 21:56:51|
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