クビオレアリタケ2

2011/06/25


先日静岡の茶のかほりさん(K坂さん)から送られたトゲアリ生の虫草を観察して一応クビオレアリタケと同定したが、どうも納得できないところがあった。一つには冬虫夏草図鑑の図版と色彩や質感が少し違うような印象があったこと、もう一つは子嚢胞子の隔壁数が冬虫夏草図鑑では8~12となっているのに、送られてきた標本では5だったことだ。
そんな時にブックマークしている ハンマーさんのブログに、トゲアリ生の虫草が完熟したとの記事が載った。ハンマーさんの写真をみると静岡産のものとは色彩や質感が少し違うようだ。
さっそくハンマーさん(Y村さん)と連絡を取り、ご案内いただけることになった。というわけで三田市某所へ。
天気予報は曇り一時雨だったが、なんと全くの快晴。少し時間の余裕をみて出発したが阪急京都線で事故がありかなり遅れてしまった。
案内された場所は予想に反して整備された公園のような場所だった。行ってみてびっくり、クリの大木にトゲアリの巣があり、地上1.8~2mぐらいの枝先にトゲアリ生の虫草がたくさん付いているのだ。自分の背より高い場所で見つかる虫草といえば、ヤンマタケかシャクトリムシハリセンボンぐらいしか思いつかない。虫草屋にとっては盲点といっていいだろう。虫屋のハンマーさんだったからこそ見つけられたのかもしれない。
高い場所なので三脚は使えない。手持ち撮影に慣れていないので、まともな写真は撮れなかった。ハンマーさんはストロボ撮影でうまく撮っておられるようだ。この方法も勉強しなくてはならない。
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Ophiocordyceps unilateralis var. clavata?
Host: adult of  ant. Place:Sanda. 25 Jun. 2011


数は多いがほとんどが未熟だったので、完熟に近い3体だけを持ち帰ることにした。
その後周辺を見てまわったが、整備されている割に昆虫が非常に多いのに気付いた。トゲアリ生虫草は何カ所かで見かけたが,付いている木はクリの他にヒイラギ、ミツバツツジ、アセビなど様々で、樹種よりもトゲアリの巣が近くにあるかどうかが問題になるようだった。
京都周辺でも見つかる可能性はあるだろう。
もっといろいろ探したいところだったが、あまりの暑さに参ってしまい早々に引き上げた。

持ち帰ったトゲアリ生虫草。今度こそ正真正銘のクビオレアリタケだと思うが、やや未熟で胞子の隔壁数を確認できなかった。しばらく追培してみるつもりだ。
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Ophiocordyceps unilateralis var. clavata?
Host: adult of  ant. Place:Sanda. 25 Jun. 2011



  1. 2011/06/28(火) 23:42:06|
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カイガラムシキイロツブタケ

2011/06/14~21

今年の梅雨は順調に雨が降る。晴れるたびにあちこち出かけている。14日はJ谷に行ったがここでは初めてのクサナギヒメタンポタケを見つけた。ハイイヌガヤの葉裏にカイガラムシキイロツブタケがいくつか付いていたので少し切り取って持ち帰った。やや未熟だったので追培。
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Torrubiella sperficialis
Host: scale insect. Place:Nagaokakyo. 14 Jun. 2011


20日は近所のK寺でクモタケを見つけた。クモタケはあちこちの神社や寺でその前の週ぐらいから出始めているようだ。
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Nomuraea atypicola
Host: spider. Place:Nagaokakyo. 20 Jun. 2011


21日はK川へ。いつもの場所でホソエノコベニムシタケ(財田型)を見つけた。まだ時季が早いので、非常に小さい。採集せず。他には小型のアリから出た未熟なハチタケ?が一体。ヒメクチキタンポタケは14日も21日もたくさん見かけたが、普通過ぎて写真を撮る気にもならない。
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Cordyceps cardinalis
Host:  larva of Lepidoptera. Place:Nagaokakyo. 03 Jun. 2011


持ち帰ったカイガラムシキイロツブタケ
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Torrubiella sperficialis
Host: scale insect. Place:Nagaokakyo. 14 Jun. 2011


子嚢殻
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perithecia of Torrubiella sperficialis

子嚢
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asci of Torrubiella sperficialis

子嚢胞子は子嚢の中に4本?
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 ascospore of Torrubiella sperficialis

子嚢胞子は分裂せず、隔壁も非常に見えにくい。アンモニア水で処理するとなんとか見える。
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 ascospore of Torrubiella sperficialis

子嚢胞子は一般的なクモ生のTorrubiellaよりも、むしろConoideocrella tenuisなどのものによく似ている。

  1. 2011/06/24(金) 17:16:23|
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梅雨の晴れ間2

2011/06/03

春が遅かったのに今年の梅雨は例年より2週間以上早い。しかも珍しく順調に雨が降る。ようやく晴れたので久しぶりにK川に行った。まずクサナギヒメタンポタケの坪を調べた。前回行った時に1mmほどの小さなものが1体出始めているのを確認していたのだ。目印を付けておいた辺りを調べるとほぼ完熟していたが、それでも2、3mmぐらいしかない。さらに周りを調べたがそれ以上は見つからなかった。
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Cordyceps kusanagiensis
Host: cocoon of Lepidoptera. Place:Nagaokakyo. 03 Jun. 2011


さらにクサナギ谷に向かう。着いてさっそくクサナギ1体を見つけたのを皮切りに、次々と数種類の虫草が見つかった。
クサナギヒメタンポタケはここでは3体見つかり、1体だけ持ち帰った。
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Cordyceps kusanagiensis
Host: cocoon of Lepidoptera. Place:Nagaokakyo. 03 Jun. 2011


その他には未熟なコメツキムシタケが1体、持ち帰らず現地で観察を継続する。
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Ophiocordyceps agriotidis
Host: larva of  Coleoptera. Place:Nagaokakyo. 03 Jun. 2011


トガリスズメバチタケが1体、これは持ち帰る。
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Ophiocordyceps oxycephala
Host: adult of  wasp. Place:Nagaokakyo. 03 Jun. 2011


ヒメクチキタンポタケは頭部がかなり膨らんできた。この種はこの日あちこちで見かけた。
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Cordyceps annullata
Host: larva of  Coleoptera. Place:Nagaokakyo. 03 Jun. 2011


急斜面でクサナギを探している時たまたま落ち葉を掻き分けると、かなり大きな虫草らしき子実体が現れた。
何となく見覚えがあるのだが、いくら考えても思い出せない。
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期待に胸を躍らせながらも慎重に掘っていくと、小さな黒いツチダンゴの仲間が現れた。お馴染みの棍棒型菌生不明種だったのだ。
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Elaphocordyceps sp.
Host:Elaphomyces sp. Place:Nagaokakyo. 3 Jun. 2011


ちょっとがっかりしたが、これほどみごとな黄色型は初めてなので持ち帰ることにした。

持ち帰った棍棒型菌生不明種
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konbou110603d.jpg
Elaphocordyceps sp.
Host:Elaphomyces sp. Place:Nagaokakyo. 3 Jun. 2011


この日は他にサナギタケをいくつか見つけた。

  1. 2011/06/05(日) 09:10:14|
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