検鏡いくつか

2010/10/15

M井さんから預かったクチキツトノミタケらしきもの(おそらくキマワリアラゲツトノミタケ)はやや未熟に見えたので追培していたが、15日になってもあまり変化がないので検鏡してみることにした。スライドグラスの上に置いてみても胞子の放出はなく、結実部から切片をとって検鏡した。

まず子嚢殻。
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perithecia of Ophiocordyceps sp.

子嚢は未熟なものが多かったが、いくつか完熟しているものが見られた。
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asci ofOphiocordyceps sp.

子嚢胞子もいくつか完熟していた。分裂はしないようだ。
kima101015c.jpg
 ascospore ofOphiocordyceps sp.

結局、以前検鏡したキマワリアラゲツトノミタケと変わるところはないようだ。

次に12日に宇治市で採集した未熟なタイワンアリタケを検鏡した。12日は持っていったカメラが故障したので、現地では写真撮影ができなかった。次の写真は持ち帰ってから撮影したもの。
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Ophiocordyceps unilateralis
Host:adult of ant. Place:Uji. 12 Oct. 2010


まったく結実していないのでanamorph(無性時代)を検鏡した。この種ではteleomorph(有性時代)と同じストローマ上にanamorphが形成される。種によっては未熟時だけにanamorphが見られるものもあるが、この種では結実後でも見られるようだ。anamorphはHirsutella formicarum

分生子形成細胞
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 conidiogenous cells ofHirsutella formicarum

分生子
ito101014e.jpg
 conidia ofHirsutella formicarum

以前検鏡したイトヒキミジンアリタケの完熟個体のものと変わるところはない。
  1. 2010/10/28(木) 11:47:47|
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ようやく秋が2

2010/10/6

MOOKきのこの会のM井さんから電話があり、東大阪でクチキツトノミタケらしきものを採集したという。送ってもらおうかと思ったがこちらに来られるということなので、K川にご一緒することにした。私も最近はほとんど行っていない。着いてすぐ合流点付近の斜面を調べるとサナギタケのような虫草が見つかった。掘ってみると大型のイモムシが出てきた。どうやらイモムシタケの仲間のようだ。検鏡用に持ち帰る。
imo101006a.jpg
Cordyceps kyushuensis
Host:larva of Lepidoptera. Place:Ngaokakyo. 06 Oct. 2010


他にはハナサナギタケやコナサナギタケなど。川にも降りてみたが、クモ生虫草がほとんど見つからない。見つかっても黴びたものばかりだ。猛暑が続いたせいだろうか。何カ所か調べてみたがどこもさっぱり。
シュイロクチキタンポタケの坪を覗いてみると、やっと2体だけみつかった。この坪もそろそろ寿命だろうか。
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同じものの寄主を露出させた状態。
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Cordyceps sp.
Host:larva of  Coleoptera. Place:Ngaokakyo. 06 Oct. 2010


持ち帰ったイモムシタケ。寄主は分解されてボロボロになっている。
imo101006b.jpg

imo101006c.jpg
Cordyceps kyushuensis
Host:larva of Lepidoptera. Place:Ngaokakyo. 06 Oct. 2010


結実部。子嚢殻がかなり突出しているが、裸生というほどでもない。
imo101006d.jpg


スライドグラス上に結実部を置くとすぐに胞子を放出し始める。まずドライで検鏡。子嚢胞子はサナギタケよりやや短い。
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ascospores of Cordyceps kyushuensis

次に水を加えて高倍率で見る。子嚢胞子は64個の二次胞子に分裂する。(サナギタケは128個)
imo101006e.jpg
ascospore of Cordyceps kyushuensis

ほとんどの子嚢胞子は64個に分裂するが、中には一部の部分胞子がさらに細かく分裂しているものもある。この細かく分裂した部分胞子はサナギタケのものと同じぐらいの大きさだ。両者が近縁だということを示すものだろう。
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another ascospore of Cordyceps kyushuensis

子嚢殻はサナギタケよりもやや細身の感じだ。
imo101006h.jpg
perithecia of Cordyceps kyushuensis

ところでM井さんから預かったクチキツトノミタケ(?)だが、京都のキマワリアラゲツトノミタケよりやや細身だが別種というほどの差ではない。やや未熟なのでもう少し追培してみることにする。
kima101006a.jpg
Ophiocordyceps sp.
Host:larva of Coleoptera. Place:Higashiosaka. Oct. 2010


  1. 2010/10/14(木) 01:55:22|
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ようやく秋が

2010/09/27~10/5

9月下旬になってようやく秋らしくなってきた。何度か雨も降ったのであちこち出かけてみたが、夏の暑さがあまりにも厳しかったせいか虫草も普通のきのこもほとんど出ていない。かろうじてクチキムシツブタケがいくつか見つかったぐらいだ。
kutiki100927a.jpg

kutiki100927b.jpg
Cordyceps cuboidea
Host:larva of Coleoptera. Place:Ootsu. 27 Sep. 2010


このところ知り合いの展覧会が多いので毎週一回ぐらいは画廊巡りをしている。10月5日も街に出たついでにミヤマタンポタケの坪を覗いてみることにした。昨年たくさん出ていた辺りを調べると、そこらじゅうの落ち葉が掻き除けられている。どうやら先客があったようだ。今年は何度かこういう経験をしている。京都は昔からきのこや自然観察関係の団体が多いが、以前は虫草などには見向きもしなかった。インターネットで虫草の知識が普及したせいだろうか?まあ、環境保全のためにも後片付けぐらいはしっかりやってほしいものだ。
他の場所を探すとミヤマタンポタケはたくさん見つかった。まだ少し未熟のようだ。採集はせず。
miyatan101005a.jpg

miyatan101005b.jpg

miyatan101005c.jpg

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Elaphocordyceps intermedia f. michinokuensis
Host:Elaphomyces sp. Place:Kyoto. 05 Oct. 2010


  1. 2010/10/08(金) 22:36:16|
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