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ウスイロタンポタケ類似不明種

2010/05/18 追記あり

虫草仲間のS根さんから高槻市で見つかった不明虫草が送られてきた。5月15日に採集されたものという。ストローマは一見オオセミタケだが、寄主は甲虫の幼虫のようだ。甲虫の幼虫から出るタンポ型の虫草としてはウスイロタンポタケがあるが、タンポ型の頭部の色や形状がかなり違う。寄主との接続部もオオセミタケのように細根状に分かれている。最初見た時に考えたのは、オオセミタケが偶発的に甲虫の幼虫から発生した寄主違い寄生ではないかということだ。(寄主は後に双翅目のクサアブの仲間の幼虫と判明)
humei100518a.jpg

humei100518c.jpg
Ophiocordyceps sp.
Host:larva of Diptera. Place:Takatsuki. 15 May. 2010


結実部の形や色はまさにオオセミタケだ。
humei100518b.jpg


ところがストローマを縦に切って断面を見るとちょっと違う。オオセミタケなら断面は真っ白のはずだが、この不明種では淡黄褐色でやや半透明だ。ちょうどタンポタケとヌメリタンポタケの断面の違いのようだ。
humei100521f.jpg


寄主はちょうどキマワリの幼虫ぐらいの大きさだが、尾部の形が明らかに違う。ウスイロタンポタケの寄主であるウバタマコメツキの仲間の幼虫でもない。
host100518.jpg
Host

検鏡してみると、子嚢殻はオオセミタケに比べてやや小さく黄色味がかっているが、大きくは違わない。
humei100521d.jpg
perithecia of Ophiocordyceps sp.

子嚢頭部の形や幅もほぼ同じだ。
humei100521e.jpg
asci of Ophiocordyceps sp.

ところが胞子が違う。下の写真は本種とオオセミタケの子嚢胞子を比較したものだが(上が本種、下がオオセミタケ)、御覧の通り違いはかなり明瞭だ。
humei_housi.jpg
ascospore of Ophiocordyceps sp. (above) and Ophiocordyceps heteropoda(bottom)

本種は32個ほどの二次胞子に分かれるのに対し、オオセミタケは64個ほどの二次胞子に分かれる。二次胞子の形はよく似ているが、本種の方がひと回り大きい。(本種は12~17×1.8~2μm、オオセミタケは8~9×1.5~1.8μm)、どうやら両種は別種とみてよさそうだ。
また清水図鑑によるとウスイロタンポタケは6.3~8.5×1.2~1.5μm、コメツキタンポタケは3~6.2×1.5~2μmで、本種はこれらに比べてもかなり二次胞子が大きい。


追記(2010/06/09)

以上の文をアップした後、山鳥さんの掲示板でK.Y.さんから寄主は双翅目のキアブの仲間の幼虫ではないかとの御指摘があった。そこで寄主にまとわりついた菌糸を剥がしてみると、頭部は尖っており胸脚も無く、やはり双翅目の幼虫のようだ。幼虫図鑑を調べてみると確かにキアブの仲間の幼虫に似ている。ただ全長4.6cmという大きさがひっかかった。
abu1.jpg

双翅目専門サイトの掲示板に画像を投稿して尋ねてみると次のような回答があった。

>現在はしばしばキアブ科Xylophagidaeに分類されるクサアブ科Coenomyiidaeのクサアブ属Coenomyiaの幼虫でしょう。根拠は側面写真にある頭部がキアブ属Xylophagusよりはるかに短く太いこと、腹部後端背面の骨化部が円形、その突起の先端がとがっていること、その部分の後気門の形と相互に接近している状態、46mmという著しく大型であること、などです。

またK.Y.さんによるとこの虫草はCordyceps gracilis(現在はOphiocordyceps属)によく似ているということなのでネットで調べてみたところ、非常によく似ていることがわかった。系統的にオオセミタケに近い種類のようで、ウスイロタンポタケOphiocordyceps gracilioidesも近縁と思われる。(同一視している人もあるようだ。)ただ、寄主は鱗翅目ということで本種とは別種と考えていいのではないかと思う。

まとめてみると、

・本種 Ophiocordyceps sp.
Host:larva of Diptera, secondary spore : 12~17×1.8~2μm

Ophiocordyceps gracilis
Host:larva of Lepidoptera, secondary spore : 8~9×1μm

・ウスイロタンポタケOphiocordyceps gracilioides
Host:larva of Coleoptera, secondary spore : 6.3~8.5×1.2~1.5μm

・オオセミタケ Ophiocordyceps heteropoda
Host:nymph of cicada, secondary spore : 8~9×1.5~1.8μm

尚、Kenさんによると採取情報は以下の通り。

採取日: 2010.5.15.
場所: 高槻市
状況: 混生林(杉が主)内の落葉が薄く積もった緩やかな傾斜地上。
寄主は以前に採取した2個体も含めほぼ垂直に立った状態で浅く地中に
埋もれていた。



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  1. 2010/05/25(火) 20:16:36|
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季節はゆっくり進む


2010/05/14

連休中には行けなかったキャンプ場方面へ。まずクサナギ谷のクサナギヒメタンポタケを調べる。ざっと調べて3体見つかったが、いずれも小さくて未熟だ。最盛期までは半月以上待たなければならないだろう。これから出てくるものもあるはずだ。例年よりかなり遅い。
kusa100514a.jpg
Cordyceps kusanagiensis
Host:cocoon of Lepidoptera. Place:Nagaokakyo. 14 May. 2010


さらに進んで菌生不明虫草を見に行く。前回見に行ってからほぼ一ヶ月。ほとんど真っ黒になって胞子を出し終わっている感じだ。試しにちょっと掘ってみたが、寄主のツチダンゴは分解されてしまったのか姿が見えない。よく見るとすぐそばにもう一本小さなものが出ている。新しく出て来たものだろう。
100m程離れた場所でさらに一体見つかったが、これは既に古くなっている。
E_sp100514a.jpg

E_sp100514b.jpg

E_sp100514c.jpg
Elaphocordyceps sp.
Host:Elaphomyces sp. Place:Kyoto. 14 May. 2010


他に未熟なシャクトリムシハリセンボンと未熟なマルミノアリタケが出ていた。サナギタケはあちこちで見かけた。
合流点付近のクサナギヒメタンポタケももう一度見てみたが、こちらは少し成熟しているようだ。
kusa100514b.jpg
Cordyceps kusanagiensis
Host:cocoon of Lepidoptera. Place:Nagaokakyo. 14 May. 2010



  1. 2010/05/15(土) 14:49:51|
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連休中巡回


2010/05/05

今年は制作に追われて恒例の連休前巡回ができなかった。4月30日から5月2日までグループ展で東京に行っていたが、山や公園は大変な人出が予想されたので画廊に籠っていた。
そういうわけで今日は久しぶりの虫草探しでK川へ。
人が行列で歩く高尾山とは比較にならないが、こちらも大勢のハイカーでにぎわっている。入口近くには車や自転車が何台も停められ、何組もの家族連れがキャンプ場方面に登って行く。そちらに行くのはあきらめてハガクレ谷に向かう道の斜面を調べた。この斜面は毎年サナギタケがたくさん出るが21日には2体しか見つかっていない。あれから半月、さすがにもう少しは出ているだろうと思って調べてみたがなかなか見つからない。最初に見つかったのは何とクサナギヒメタンポタケ。この場所では久しぶりだ。以前この辺りにあったクサナギの坪は道幅を拡げるために削り取られてしまったが、どうにか生き残ってくれたようだ。しばらく進んでもう一体。少し戻って調べ直すとさらに一体。どれもまだまだ未熟だ。
kusa100505a.jpg

kusa100505b.jpg

kusa100505c.jpg
Cordyceps kusanagiensis
Host:cocoon of Lepidoptera. Place:Nagaokakyo. 05 May. 2010


サナギタケもぽつぽつと見つかったが例年より少ないようだ。
sana100505.jpg
Cordyceps militaris
Host:pupa of Lepidoptera. Place:Nagaokakyo. 05 May. 2010


その後アブ谷方面に向かったが、途中でさらに一体クサナギを見つけた。今までその辺りで見たことはない。この種は成熟すると黄褐色になって目立たなくなる。見つけにくいだけで実は広範囲に出ているのかもしれない。今の時期は未熟なので白くて見つけ易いのだ。
kusa100505d.jpg
Cordyceps kusanagiensis
Host:cocoon of Lepidoptera. Place:Nagaokakyo. 05 May. 2010


アブ谷のヤンマタケがまだ落ちていないのを確認してから帰った。


  1. 2010/05/06(木) 08:01:11|
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