御近所巡回5

2009/11/30

個展前と個展期間中は近所の山に行けなかった。今日は久しぶりにK寺裏の山林へ。
紅葉寺としても有名なK寺はこのところ有料で公開中で、大勢の人でごった返している。山門を避けて脇道から裏の山林に入る。
まずコガネムシハナヤスリタケの坪へ。今年はあちこち遠征して近所をあまり見なかったせいか、この種はついに見かけなかった。調べてみるとマユダマタケの重複寄生を受けたものがいくつも見つかった。気が付かないうちに結構出ていたようだ。
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Polycephalomyces sp.
Host:larva of Coleoptera Place:Nagaokakyo. 30 Nov. 2009


さらに奥に入る。例年ならオイラセクチキムシタケがたくさん出ている頃だ。
予想通りいつもの場所のいつもの朽木に何本も出ていた。ようやく結実しかかったところで、だいたい例年通りの成熟度だ。
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Ophiocordyceps rubiginosoperitheciata
Host:larva of Coleoptera Place:Nagaokakyo. 30 Nov. 2009


特に新しいものは何もないが、毎年同じ時期に同じ場所に同じ虫草が出るというのは、何となく嬉しいものだ。
  1. 2009/11/30(月) 22:24:07|
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晩秋の高尾山

2009/11/19

この日は遅くに画廊に出ることにして、朝から高尾山に出かけた。紅葉のシーズンとあって、平日でもやたら人が多い。時間がないので早速ケーブルで山頂へ。さすがに寒いが歩くうちに気にならなくなる。
山道沿いのアオキの葉をひっくり返して見ながら歩くうちに何かが目に留まる。ルーペで見るとひからびたハスノミクモタケのようだ。この種は高尾山では普通らしく毎回未熟なものや過熟なものを見つけているが、季節が合わないのかちょうどよく熟したものにはお目にかかっていない。
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cordyceps nelumboides
Host:spider Place:Mt.Takao. 19 Nov. 2009


このシーズンは人出が多いためか、かなり規制がきびしくなっている。以前は入れた場所が進入禁止になっていたり、上りのみの一方通行になっていたりする。山頂に着いてから目的だった○号路が上から降りられないことに気付き、べつの道からかなりの距離を引き返すはめになった。このルートは前回土砂崩れで通行禁止になっていたし、その前に行った時は時間が無くて通り過ぎただけだったので、実質初めての調査になる。
途中、沢に降りられる場所があったので降りて辺りの葉裏を調べると、気生の虫草がいくつか見つかった。

まず
Akanthomyces ovalongatus
。この種も毎回見かけており、高尾山では普通種と思われる。
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Akanthomyces ovalongatus
Host:spider Place:Mt.Takao. 19 Nov. 2009


分生子形成細胞と分生子
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conidiogenous cells and conidia of Akanthomyces ovalongatus

分生子
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conidia of Akanthomyces ovalongatus

クモ生のものでは他にカビにやられたtorrubiellaがいくつか見られた。

さらにハガクレシロツブタケが見つかった。この種は前回、前々回の記録には出ていないが、今回の調査ではかなり多く見つかった。高尾山では普通と思われる。
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Torrubiella sp.
Host:pupa of Diptera Place:Mt.Takao. 19 Nov. 2009


そしてハダニベニイロツブタケ。(おそらくConoideocreaella luteorostrataと同じと思われる。この種もConoideocreaella tenuisと同様、昨年torrubiella属から新属に移された。)
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Conoideocreaella luteorostrata
Host:nymph of scale insect Place:Mt.Takao. 19 Nov. 2009


寄主はカイガラムシ。昨年の記述ではコナジラミとしていたが、もう少し大型のカイガラムシが観察されたことから、若齢のカイガラムシ幼虫と判断した。寄主のカイガラムシは長岡京産とは違う種類と思われる。
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C_l91119d.jpg
Conoideocreaella luteorostrata
Host:nymph of scale insect Place:Mt.Takao. 19 Nov. 2009


昨年の夏には子嚢や子嚢胞子を確認しているが、今回は季節が合わなかったのか、観察できなかった。一応子嚢殻の画像をアップしておく。
C_l91124a.jpg
perithecia of Conoideocreaella luteorostrata
  1. 2009/11/26(木) 22:07:28|
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ササの虫草

2009/11/18

先週まで東京の銀座で個展をやっていた。虫草やきのこ関係の人の来場も結構あった。(このブログを見て下さっている方もあると思うので、ここでも御礼を述べておきます。どうもありがとうございました。)
さて、せっかく東京に来たのだからあちこち見て廻りたいのだが、個展なので一応画廊にいなければならない。そこで、毎朝画廊が開く前に見物して廻ることにした。まだ見ていない公園等を調べて廻る。さすがにこの季節なので何も見つからないが、夏ならばきっと何か出ていそうな候補地をいくつか見つけることができた。
11月18日は少し遠出をして横浜市の某所に出かけた。電車の乗り継ぎに戸惑ってしまいほんの少ししか調べる時間がなかったが、それでもいくつかの発見があった。前日までの雨で地面がぬかるんでいるしゴム長靴も用意していないので、あまり深入りはできない。道沿いの葉裏を調べてみる。このところササやタケに注目しているのだが、ちょうど手ごろなササがあったので葉裏を見ると何か付いている。ルーペで見てみると子嚢果らしきものが判別できた。さっそく持ち帰ることにする。結局付近のササを調べるだけで時間が来てしまった。何体かのカイガラムシ生?虫草とクモ生トルビエラ1体がこの日の収穫だった。

持ち帰ったカイガラムシ生?虫草。寄主は虫草の近くに付いていた0.5mm程の虫と思われる。カイガラムシかコナジラミかよくわからないが、近くの葉にたくさん付いていたもう少し大型の虫からカイガラムシと判断した。
寄主は違うが長岡京でもよく見られるカイガラムシ生虫草 (おそらくConoideocreaella tenuisと思われる。この種は昨年Torrubiella属から新属に移された。)に似ている。
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Torrubiella sp.
Host:nymph of scale insect Place:Yokohama. 18 Nov. 2009


検鏡してみたがまだまだ未熟で子嚢はできていなかった。C.tenuisにくらべてやや黄橙味が強いようだ。Conoideocreaellaは子嚢殻がコーン型になるが、この種はそのようには見えない。とりあえずTorrubiella sp.としておく。

子嚢殻。
C_t91124a.jpg
perithecia of Torrubiella sp.

こちらは同じくササの葉裏から見つかったクモ生トルビエラ。長岡京でよく見られる黄色のクモ生トルビエラに似ているがこちらのほうがやや黄橙味が強いようだ。
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t_sp91118a.jpg
Torrubiella sp.
Host:spider Place:Yokohama. 18 Nov. 2009


子嚢殻と子嚢。
t_sp91124a.jpg
perithecia and asci of torrubiella sp.

子嚢。
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asci of Torrubiella sp.

子嚢胞子。
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ascospore of Torrubiella sp.

長岡京産のものとは胞子の大きさや形がかなり違うので、別種とみてよさそうだ。
  1. 2009/11/24(火) 23:26:49|
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