虫草祭in福島4

2009/07/31~8/2

続き。
アリ生虫草(以下本種)。地元ではアリタケOphiocordyceps japonensisと思われているようだ。ただ本種をアリタケとするには疑問がある。まず頭部の形だがアリタケの記載文では“球形または卵形、時として少し尖る”となっており、マルミノアリタケのような形と考えられるが、本種は尖った紡錘形で一見小型のハチタケかアワフキムシタケのように見える。また、本種は東北地方では普通に見られるようだが、西日本では見られない。アリタケのタイプ標本は岐阜県で採集されている。
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Ophiocordyceps sp.
Host:adult of ant. Place:hukushima. 2 Aug. 2009


検鏡してみたが、子嚢や胞子はマルミノアリタケ、ハチタケ、アワフキムシタケなどと形も大きさも変わらない。アリタケの記載文では子嚢は130~170×5~6μmと本種に比べかなり短い。ただしこの点については記載者が未熟な標本からのデータを載せたのではないかと疑われるところがある。

子嚢
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asci of Ophiocordyceps sp.

二次胞子
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secondary spores of Ophiocordyceps sp.

では本種はいったい何かということになるのだが、一応4つの可能性をあげておく。

1. ハチタケあるいはアワフキムシタケと同種の寄主違い寄生。
2. ニューギニアトゲアリタケO. myrmecophilaである。この種は世界汎布種であり、必ずしもトゲアリ生ということはない。本種とは色や胞子の大きさが少し違うが個体差の範囲といえないこともない。
3. 未発表の別種。
4. やっぱりアリタケ。

一応Ophiocordyceps sp. としておく。

次はホソエノアカクビオレタケ。
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Cordyceps rubrostromata
Host:larva of Diptera. Place:hukushima. 2 Aug. 2009


子嚢
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asci of Cordyceps rubrostromata

二次胞子
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secondary spores of Cordyceps rubrostromata

ナガホノケンガタムシタケの未熟個体。追培中。
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Cordyceps obliquiordinata
Host:larva of Coleoptera. Place:hukushima. 2 Aug. 2009


コツブイモムシハリタケ。やや未熟で追培中。
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Ophiocordyceps crinalis
Host:larva of Lepidoptera. Place:hukushima. 2 Aug. 2009

  1. 2009/08/10(月) 01:03:59|
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