今年のキアシ

2008/08/11

N神社は昔はセミタケキアシオオゼミタケがたくさん出たものだが、バブル期以降相次ぐ改修によってすっかり変わってしまい、ここ十年ほどは虫草を見る事もなくなっていた。ただ、セミタケのシーズンになると今でも一応は坪の確認を続けている。今年も10年ほど前までは発生していた場所を調べてみたが、虫草っぽいものが1体だけ見つかった。
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ルーペで見てもツブツブらしきものは確認できないし、形も随分いびつなのだが何となくキアシオオゼミタケの感じがする。一応掘ってみるとやはりセミの幼虫が現れた。
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Cordyceps cicadae
Host:nymph of cicada. Place:Nagaokakyou. 11 Aug. 2008


久しぶりの1体なので採らずに残して置こうかとも考えたが、正常に成熟していないように思われたので持ち帰って調べてみることにした。ま、環境さえ変わらなければ1体採ったぐらいではどうということはない。

持ち帰って調べてみたが、やはりキアシオオゼミタケと見てよさそうだ。ただ、何か別の菌の重複寄生を受けているようだ。
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Cordyceps cicadae
Host:nymph of cicada. Place:Nagaokakyou. 11 Aug. 2008


子実体の表面を掻き取って検鏡してみると多数の分生子らしきものが見られた。子嚢殻や子嚢胞子が確認できなかったので確かではないが、おそらくHypomicesのアナモルフ(不完全型)だろう。
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conidia of Hypomices sp.?

同じ場所でセミカビを見つけたが、一部が緑色になりかけているところから見てBeauveriaではなくNomuraea cylindrosporaだろう。
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Nomuraea cylindrospora
Host:adult of cicada. Place:Nagaokakyou. 11 Aug. 2008


今年のキアシオオゼミタケは東山のほうでは順調に出ているようだが、西山では不調のようだ。いつも出ているいくかの寺社を調べてみたが、西京区の神社で黄色型を一体見ただけだった。この個体は発生し始めた時から何度か観察したが、日照り続きのため成長しきらずに干涸びてしまったようだ。この坪は境内の植込みなのだが、水をやってもらえないのかいつもこの時期には地面がからからに乾いている。
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Cordyceps cicadae f.
Host:nymph of cicada. Place:Kyoto. 11 Aug. 2008
  1. 2008/08/14(木) 18:07:49|
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八月は川遊び

2008/08/05、08

私がよく行くK川は標高100M以下の低地なので、8月になると地面はからからに乾いて虫草もほとんど姿を消してしまう。ただ、川沿いの木やしだの葉裏につく気生の虫草は健在だ。5日、8日はいくつかの川筋を調べてみたが、例年通りクモ生やアブ生のトルビエラ属の虫草が数多く見られた。
特に目新しい種類はなかったが一応紹介しておく。

まずコエダクモタケギベルラ・レイオパスを伴っている。
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Torrubiella leiopus with Gibellula leiopus
Host:spider. Place:Nagaokakyou. 05 Aug. 2008


次はギベルラ・プルクラ
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Gibellula pulchra
Host:spider. Place:Nagaokakyou. 05 Aug. 2008


小型の蛾の成虫生の不完全型虫草
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Akanthomyces sp.
Host:adult of Lepidoptera. Place:Nagaokakyou. 05 Aug. 2008


いつもの黄色のクモ生虫草
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Torrubiella sp.
Host:spider. Place:Nagaokakyou. 08 Aug. 2008


古くなったトルビエラクモタケ
etuki80808.jpg
Torrubiella sp.
Host:spider. Place:Nagaokakyou. 08 Aug. 2008


アブラムシ生のヒルステラ
abura80808.jpg
Hirsutella sp.
Host:aphid. Place:Nagaokakyou. 08 Aug. 2008


おなじみのノボギネ
A_n80808.jpg
Akanthomyces novoguineensis
Host:spider. Place:Nagaokakyou. 08 Aug. 2008


ナガレアブの卵塊についたコゴメクモタケ(薄紅型)
kogome80808.jpg
Torrubiella sp.
Host:eggs of Diptera. Place:Nagaokakyou. 08 Aug. 2008


カイガラムシ生のトルビエラ
kaitoru80808.jpg
Torrubiella sp.
Host:scale insect. Place:Nagaokakyou. 08 Aug. 2008


その他にハガクレシロツブタケ小型のギベルラ・レイオパスが多かったが、全体としてクモ生虫草は少なめだった。
  1. 2008/08/11(月) 09:29:36|
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カメムシタケ3

2008/08/01

そろそろ出る頃なので自転車で京都方面にカメムシタケを見に行った。まずO神社に立ち寄る。O神社といっても御近所のO神社とは別。ここは以前はなかなか優秀な坪だったのだが、近頃ではさっぱりだ。ところが参道脇の溝でセミタケが見つかった。この神社でも昔は結構出ていたのだが、もう10年以上見ていない。久しぶりの出会いに喜んで昔出ていた辺りを探してみたが、他には見つからなかった。一本だけだったので採集せず。
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Ophiocordyceps sobolifera
Host:nymph of cicada. Place:Kyoto. 01 Aug. 2008


神社を出てカメムシタケの坪へ。ここは国道脇の草地だが、年々荒れていくような気がする。入口近くの以前よく出ていた場所は草が刈り取られていたので、草を掻き分けながら奥に進む。たけの高いオオイタドリの群落まで辿り着いて辺りを調べると、やはりカメムシタケが出ていた。最初にここを見つけた時には100体以上も見つかったものだが、今回はわずかに20体ぐらい。もちろん調べたのは草地のほんの一部だから、実際にはもっと出ているのだろうが。何体か撮影し5、6体を持ち帰った。非常に暑いのであまり長くは調べていられない。

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Ophiocordyceps nutans
Host:adult of stink bug. Place:Kyoto. 01 Aug. 2008


持ち帰ったカメムシタケ。寄主はいつも通りツマキヘリカメムシ。
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kame80801d.jpg
Ophiocordyceps nutans
Host:adult of stink bug. Place:Kyoto. 01 Aug. 2008


いわゆるエダウチカメムシタケも採集した。これはカメムシタケの分生子型と言われているが、分生子柄の形を見るとマユダマタケと変わるところろはない。重複寄生だろう。
kame80801e.jpg

kame80801f.jpg
Polycephalomyces sp. on Ophiocordyceps nutans
Host:adult of stink bug. Place:Kyoto. 01 Aug. 2008
  1. 2008/08/03(日) 18:25:48|
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