クサナギの新坪2

2008/06/06

先日見つけたクサナギヒメタンポタケの坪を再調査した。
まずこの坪の外観を説明しよう。川沿いの斜面に幅20cm程の道とも言えない道が通っている。杉林と広葉樹林の境目近くで、色々な樹種が混じる。傾斜はかなり急、柔らかな土質で非常に崩れ易い。
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まず、前回見つけておいたアリ生の未熟虫草を確認する。二週間の間に新しい子実体が2本出て来ている。
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Cordyceps sp.
Host:adult of ant. Place:Nagaokakyou. 06 Jun. 2008


クサナギのほうも黄褐色がかってほぼ完熟状態になってきている。前回より少し念入りに調べたが、その数21体。2体持ち帰っているので、全部で23体出ていたことになる。長岡京市での最高記録だ。
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Cordyceps kusanagiensis
Host:cocoon of Lepidoptera. Place:Nagaokakyou. 06 Jun. 2008


19体目をみつけた時、そばにあったマメザヤタケのようなものをつい掘り起こしてしまった。非常に脆くて簡単にちぎれてしまったが、地中部分が白いひげ根のようになっている。マメザヤタケではないと気付いてあわててルーペで見ると虫草のようだ。ギロチンしてしまった寄主を探してさらに掘ってみると、かなり深いところから寄主が現れた。小型のセミの幼虫らしい。どうやらウメムラセミタケのようだ。同じようなものを一昨年の初冬に京都北山のC山で見ている。その時は寄主を確認できなかったがおそらくウメムラセミタケだろうと推定した。今回やっと確認できたわけだ。これは持ち帰って調べてみたが、色から見てウスイロウメムラセミタケというタイプのようだ。ウメムラセミタケの中では比較的多いタイプらしい。寄主はニイニイゼミの幼虫らしいが、かなり痛んでいるので確実ではない。
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Elaphocordyceps paradoxa
Host:nymph of cicada. Place:Nagaokakyou. 06 Jun. 2008


子嚢殻
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perithecia of Elaphocordyceps paradoxa

子嚢
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asci of Elaphocordyceps paradoxa

子嚢胞子
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ascospore of Elaphocordyceps paradoxa

この坪では他にも何種類かの虫草がみつかった。
細い枝の中に食い込んだ甲虫の幼虫から出た未熟なハリタケ。これは持ち帰って追培。
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Cordyceps sp.
Host:larva of Coleoptera. Place:Nagaokakyou. 06 Jun. 2008


未熟なハチタケ。持ち帰らず。
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Ophiocordyceps sphecocephala
Host:adult of wasp. Place:Nagaokakyou. 06 Jun. 2008


あとはサナギタケ、ハナサナギタケ、ヒメクチキタンポタケ、ツブノセミタケ、マルミノアリタケなど。
それに少し離れた場所で見つかった未熟なコメツキムシタケ
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Ophiocordyceps agriotidis
Host:larva of Coleoptera. Place:Nagaokakyou. 06 Jun. 2008


かなり優秀な坪のようだ。
  1. 2008/06/07(土) 09:19:56|
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