保存標本の検鏡5

2007/02/12

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今までヒメサナギタケ Cordyceps pruinosaと思っていたイラガの繭生の標本を検鏡した。10年以上前のものなのに戻してみると鮮やかな紅色で、今日採ったばかりのように見える。

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比較のためにハチの仲間の繭から出たものも戻して検鏡した。子実体の外見では区別がつかないが胞子が違うはずなのだ。ところが検鏡してみると、両者共子嚢胞子がヌンチャク型で全く違いが見られない。どうやら寄主違いの同種のようだ。

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イラガの繭生の子嚢

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ハチの繭生の子嚢

そういえばヒメサナギタケにしては色が鮮やか過ぎた。改めて旧い標本を引っぱり出して探してみたが、かなり採ったはずのヒメサナギタケがみつからない。おそらく保存が悪くて虫に喰われたりして、廃棄したのだろう。

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やっと1990年のラベルが付いたものを見つけて戻してみたが何か形が変だ。

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どうやら重複寄生らしい。
検鏡してみると重複寄生している方はやはり胞子がヌンチャク型の同じ種類だった。寄生されている方が本物のヒメサナギタケらしいが、さすがに胞子は見られなかった。

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さらに探して1993年のラベルが付いたイモムシ生の標本を見つけた。これはイラガの繭生ではないが同時に多数みつけたヒメサナギタケの中の一体なので、ヒメサナギタケとして間違いないと思われる。

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これを検鏡するとやはり別の形の子嚢がみられた。残念ながら二次胞子等は確認できなかった。
  1. 2007/02/17(土) 09:53:56|
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