保存標本の検鏡4

2007/02/09

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以前から気になっていたサナギタケの仲間を検鏡した。晩秋に大型のイモムシ(蛾の幼虫)から出る種類で、春に出る普通のサナギタケ Cordyceps militarisとは少し違うような気がする。過去何度か採っているが、これも最近はみかけなくて検鏡していない。

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子実体が扁平なものと棍棒状のもののニ体を調べることにし、比較のために春に出る普通型のサナギタケも加えて水で戻した。

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鮮やかだった色はすっかり褪せてしまっているが、形はかなりのところまで戻った。
各標本から子嚢果をちょっとづつ取り、押しつぶしてみるとちゃんと子嚢を持っていた。
比べた結果イモムシ生のもの同士では扁平なものも棍棒状のものも違いはなかったが、サナギタケとはかなり違うように思われた。以下比較。

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子嚢殻はイモムシ生のものは細目のどんぐり型(左)なのに対し、サナギタケのほうは太目の洋梨型。

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二次胞子はイモムシ生のものは4~4.5×1~1.5μm(上)、サナギタケのほうは2.5~3×1~1.5μm(下)

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子嚢はイモムシ生のものは幅4.5~5.5μmで長さは400μmを越えるものもあるが、ほぼ300μm未満。子嚢胞子がいくつに分割されるかは確認できなかったが、128に分かれるとすれば子嚢に収まらないのでおそらく64。

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サナギタケのほうは幅3.5~4.5μmで長さは400~450μm 子嚢胞子は128に分かれることを確認済み。

ということでやはりイモムシ生のものと春に出る普通のサナギタケとは別物のようだ。おそらくベニイモムシタケかイモムシタケだろう。
  1. 2007/02/12(月) 20:10:38|
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