Granulomanus型

2007/01/29

K川でイトヒキミジンアリタケを探している時にカシの仲間の葉裏に5mm程のギベルラのようなものが付いているのを見つけた。ルーペで見てみると何と子嚢果が付いている。

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ギベルラのタイプは「とげ鞭型」で、かなり見かけは違うものの12月6日に見つけた不明クモ虫草と同じ種類のように思われた。持ち帰って検鏡することにした。

12月6日の段階ではわからなかったが、後に見せてもらった『台湾の昆虫病原菌図鑑』にこの不明クモ虫草とそっくりのものが載っていた。

Torrubiella dimorpha Tzean,Hsieh et Wu sp.nov.
Gibellula dimorpha Tzean,Hsieh et Wu sp.nov.
Mycol. Res.:manuscript submitted. 1997.

外見も検鏡結果もだいたい一致したが、分生子型はGibellula型とGranulomanus型を併せて形成するとなっているのが気になっていた。その時にはGranulomanus型らしき分生子はみつからなかった。
そこで今回新しい標本がみつかったのでもう一度調べてみることにしたのだ。

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シンネマを何本か折りとって検鏡してみたがGranulomanus型らしき分生子はみつからない。

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子嚢果の方も見てみたが、古くなっているらしく子嚢は入っていなかった。

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ところが子嚢果の廻りの菌叢中に糸状の分生子が見えたのだ。分生子柄の形ははっきりしないが、どうやらこれがGranulomanus型の分生子のようだ。(レモン形の方はGibellula型の分生子。)

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12月6日に採った方の標本も再び持ち出して同じように子嚢果の廻りの菌叢を調べてみると、今度ははっきりしたGranulomanus型の分生子柄が見えた。

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Gibellula型(左)とGranulomanus型(右)の分生子柄を比べてみるとGranulomanus型の分生子形成細胞には複数の分離痕がみられ、どうやらフィアロ型ではなさそうだ。

Granulomanus型が見つかったことで、これらのクモ虫草がGibellula dimorphaを伴ったTorrubiella dimorphaだということはほぼ間違い無いように思われる。
ただ、Samson等はGranulomanus型は別種(の重複寄生)だと言っており、この場合もTorrubiellaGibellulaGranulomanusの3種がたまたま同居しているだけかもしれない。そうするとGibellulaを伴わないTorrubiella、或いはTorrubiellaを伴わないGibellulaとして既に先行する記載があるかもしれない。
Gibellulaを取り除けばレンカチクモタケやミオモテクモタケに似ていなくもない。
  1. 2007/01/30(火) 18:00:00|
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ナナシ谷

2007/01/29

K川へ。林道工事が始まってしまったので、合流点から奥に入れない。入口の橋のところまで戻って普段あまり行かない谷に入った。この谷はあまり獲物がないので名前も付けていないし夏から入っていない。

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川に入って葉を裏返しながら進むうちにツバキの葉裏に何か付いているのを見つけた。クモか何かの卵嚢のようだ。

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ルーペで見るとツブツブが見える。コゴメクモタケだ。この種は何にでも付くかと思える程寄主を選ばない。

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さらにしばらく進むと今度はツキダシハスノミクモタケが見つかった。この季節には珍しい。やはり長いこと来ていないとこの谷でも収穫があるのだ。
あまり奥までは進まず引き返す。帰りにイトヒキミジンアリタケを探してみたが、ここでも新しいものはみつからなかった。数千体も出ていたのが嘘のようだ。

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アリノミジンツブタケの重複寄生をうけた古いものが幾つかみつかった。そのうちの一体にはマユダマタケまで重複寄生していた。
ここで探している最中にギベルラのようなものをみつけたが、良く見ると何と子嚢果が付いている。この種については稿を改めて書く。この時季にしては久しぶりに収穫が多い日だった。
  1. 2007/01/30(火) 14:25:49|
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