エニワセミタケか?

2006/11/21

やっと個展が終わったので久しぶりにK川へ。すっかり寒くなったが、山道の斜面には相変わらずハナサナギタケが目立つ。
ダム湖上流の合流点付近を調べている時に虫草っぽいものを見つけた。

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桧の大木の根元に茶色っぽい棍棒状の物が一本出ている。粘液状の物質で覆われていて、つぶつぶらしき物は見えないが取りあえず掘ってみることにした。
すでに古くなってグスグスになっているらしく、ちょっと触っただけで折れてしまったが、続きを見つけて掘り進み寄主のセミ幼虫に到達することができた。体型から見てツクツクホウシのようだ。
この付近では過去にハヤカワセミタケを見つけているが、柄の感じが違うし時季も全く違う。今までに見たことが無いセミ生種のようだ。一応の収穫があったので、後はシュイロクチキタンポタケの坪だけ確認して早々に引き上げた。シュイロは一本も見つからなかった。今年はもう無理だろう。

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持ち帰ったセミ生虫草を調べてみた。

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頭部は薄茶色の物質でチョコレートコーティングしたようになっている。

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この物質を洗い落してみると白っぽいつぶつぶのようなものが顕われた。

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ルーペで拡大してみるとこのつぶつぶは子嚢果ではなく分生子柄か分生子柄束のようだ。どうやら重複寄生菌らしい。

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二股に分かれた短い方の先端を見てみると黒っぽいつぶつぶが見える。或いはこちらが子嚢果かもしれないが、未発達のようだ。

重複寄生菌のほうの白っぽいつぶつぶを検鏡してみた。

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突き錐状のフィアライドが密生していてマユダマタケとそっくりだ。

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分生子。

あまり良い状態とはいえない標本なのではっきりしたことは言えないが、全体の形から見てエニワセミタケに重複寄生菌が付いたものと思われる。
エニワセミタケはこの地では見たことがないが、今年の春に京都市北東部で見つかっているのであり得ないことではない。

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セミ虫草の近くで見つけたハエ生の昆虫寄生菌。ただのボーベリアかもしれないが、しばらく追培してみることにする。
  1. 2006/11/23(木) 09:22:40|
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