クモ谷3

2006/09/29

hyouhon.jpg
個展がせまってきたのであまり山に行けない。当分はあまり更新できない状態が続くだろう。
23日は伊丹市立美術館で『虫草談義』と題して講演してきた。乾燥標本一式を持ち込み、パソコンの画像をスクリーンに映しての講演だったが、会場はほぼ満席で初めてにしてはうまくいったほうだろう。美術展関連企画なので、聴衆は美術関係が多くキノコ関係は意外に少なかった。

29日はK川へ。久しぶりにクモ谷を調べる。不作の年とはいえ、この時期になると小型のギベルラが目に付き始める。他に多いのはハガクレシロツブタケAkanthomyces novoguineensisだ。

kogome60929a.jpg
大きなものとしてはコゴメクモタケ。子嚢果が非常に小さくて見分けにくい。寄生蠅と思われる蛹が何体か食い込んでいる。持ち帰って検鏡したが古くなっているようで子嚢は確認できなかった。

kogome60929c.jpg
子嚢殻は特徴的なボーリングのピン型。

abuta60929.jpg
アブの卵塊に付いているものも見つかったが、いつもの薄紅型ではなく普通の淡黄褐色のコゴメクモタケだった。検鏡すると子嚢は確認できたが、胞子の大きさなどは確認できなかった。

kogome60929d.jpg
子嚢殻。

kogome60929e.jpg
子嚢。

kumo60929a.jpg
他にはよく見かける白い樹枝状のPaecilomyces菌、

kumo60929b.jpg
未熟なトルビエラ(採るつもりはなかったが、よく見ようとひっぱったら枝が折れてしまった。)、

kaitoru60929.jpg
カイガラムシ生のトルビエラ等が見つかった。

humei60929a.jpg

不明の寄主に付いた不明の不完全菌もみつかったが、検鏡したところ前回(9月15日)アブの卵塊に付いていたものと同じもののようだ。
  1. 2006/09/30(土) 09:43:49|
  2. 未分類|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

アブ谷2

2006/09/15

9月15日の続き。アブ谷に行く途中の道で今年5体目のシャクトリムシハリセンボンを見つけた。

syaha60915.jpg
この時期なのに子嚢果が付いていない。成長が止まっているようだ。すでにフタイロスカシツブタケが感染しているのかもしれない。三脚が届かない高い位置だったので、手持ちでストロボ撮影した。そのまま残して継続観察することにした。

abuta60915a.jpg
アブ谷ではアブの卵生のトルビエラはもう終わってしまったらしく見られなかったが、卵塊に付いた不明の不完全菌を持ち帰った。

abuta60915b.jpg

abuta60915c.jpg
後に検鏡すると典型的なPaecilomyces菌のようだが、こんな形のフィアライドと分生子の組み合わせは見たことがない。ナガレアブの卵塊に付く3種目の不完全菌になる。

tutu60915a.jpg
奥の雑木林でツツナガクモタケ?を見つけた。特に珍しい種類ではないが、今年初めてだ。

tutu60915b.jpg
これも持ち帰って検鏡。子嚢胞子の一部が見えたが二次胞子は図鑑のデータよりわずかに大きい。

ga60915c.jpg
前にみつけていたガヤドリタケも持ち帰った。
シンネマの形からAkanthomyces aculeatusかと思ったが、分生子の形が細めの紡錘形で前に見たものと違う。分生子の形だけから見るとAkanthomyces pistillariaeformisのようだが、シンネマの形に疑問が残る。

ga60915a.jpg
フィアライド

ga60915b.jpg
分生子
  1. 2006/09/18(月) 09:49:09|
  2. 未分類|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0

アリノミジンツブタケ3

2006/09/15

しばらく更新していなかったが全く出かけなかったわけではない。10日には0沢さんやK山さん御夫妻、T村さんらと舞鶴方面に日帰りで出かけたのだが、大雨にたたられてさんざんだった。収穫もここで発表する程のものはなかった。13日には京都市内に出たついでに東山をちょっと見てみたが、ツクツクホウシタケニ体とクマゼミ生のセミノハリセンボン一体だけだった。
今日はK川へ。アブの卵生のトルビエラを見にアブ谷に行ったのだがもう終わってしまったらしく見られなかった。他にいくつか収穫はあったが、アリノミジンツブタケのことを書く。アブ谷の奥の雑木林を調べていて久しぶりにイトヒキミジンアリタケを見つけた。イトヒキは数年前までは何千体も出ていて探す必要もないぐらいだったが、最近めっきり少なくなってしまったのだ。ここでは数十体見つけたが、いずれも古いもので子嚢果ができているものはわずかしかない。それも光が届かないような位置に付いていて、おまけに急斜面でまともに撮影できるものが一つもない。というわけで画像は無い。そのうちいくつかに重複寄生のアリノミジンツブタケが付いていたので持ち帰ることにした。

arimi60915g.jpg
現場でも撮影したが、何が何だかわからない写真になってしまった。

arimi60915e.jpg
持ち帰って撮影してもまだよくわからない。

arimi60915f.jpg
子嚢果。円盤状のものはイトヒキミジンアリタケの古い子嚢果。

子嚢果をつぶして検鏡してみたが、時期が遅いようで子嚢も胞子も確認できない。

arimi60915c.jpg
5、6個目にやっと子嚢を確認できた。

arimi60915a.jpg
メルツァー液を使うとややはっきり子嚢胞子が見えた。

arimijihuta.jpg
前に見たフタイロスカシツブタケのものと全く同じように見える。(上がアリノミジンツブタケ、下がフタイロスカシツブタケ。)

arimi60915b.jpg

二次胞子に分裂して丸くなるようだがこれも同じだ。

どうやら或ひとつの重複寄生菌がいろいろな寄主に付いて、寄主ごとにそれぞれ別の名で呼ばれているようだ。先日コブガタアリタケに重複寄生する裸生のトルビエラが見つかったそうだが、ネットに出た画像などから判断してこれも同じ種類のように思える。






  1. 2006/09/16(土) 01:50:13|
  2. 未分類|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:0
次のページ