クモタケ3

2006/08/01

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7月27日に持ち帰ったクモタケ?はやや未熟だったので追培しておいた。それがどうやら完熟して薄紫色の分生子を充分に付けているようなので、検鏡してみた。
クモタケ?と書いたのは実はまだクモタケNomuraea atypicolaと確定したわけではないからだ。

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普通のクモタケはキシノウエトタテグモに付き巣穴の中から長いシンネマ(分生子柄束、いわゆるキノコの部分)を伸ばすのだが、この個体はアシダカグモの仲間に付きシンネマを作らずに直接体表に分生子を形成している。
色や質感からみてクモタケに間違いないと思うが、やはり検鏡してみなければ結論は出せない。
クモタケは何度か検鏡してこのブログにも載せている。(2005年6月21日2006年7月2日)
このシンネマを作らないタイプも2005年8月8日2005年9月19日に検鏡してはいるのだが、分生子のみでフィアライド(分生子形成細胞の一種。)を確認しなかった。分生子の形はたいてい楕円形だから、これだけでは同定の決め手にならないのだ。

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カッターナイフで腹部から少し大きめに切片を切り出し、アルコールで湿潤させてから軽く水洗いして検鏡した。前回はやや未熟だったため分生子柄が充分に発達していなかったが、今回ははっきり確認できた。

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柄を中心にメトレで支えられたフィアライドが輪生する。その先端に分生子(矢印)が形成される。
Paecilomyces属ではフィアライドは先の窄まったとっくり型になるが、Nomuraea 属では鈍頭になる。

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分生子

分生子もフィアライドもクモタケのものと一致する。
シンネマを作らないタイプは単なるカビと見なされて今迄無視されてきたが、クモタケNomuraea atypicolaはキシノウエトタテグモ以外にも寄生しその場合はシンネマを作らず直接体表に分生子を形成すると結論づけてよさそうだ。
  1. 2006/08/03(木) 10:41:20|
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