検鏡

2006/07/18

このところグループ展が続いたので、なかなか虫草探しに出掛けられなかった。その間にいくつか検鏡したので、まとめて発表してみよう。まず7月4日に採集したセミタケ。未熟だったので追培して7月8日に検鏡した。

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子嚢胞子は32個に分裂する。片端のいくつかの二次胞子がかなり大きいが、よくある分裂のしそこないとかではないようで、どの子嚢胞子もこんな感じだ。

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子嚢。

7月7日に採集したキマワリ生のクチキムシツブタケも検鏡したが、コメツキムシ生のものと変わりはない。

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子嚢胞子。

東京から持ち帰ったものも早速検鏡した。まずオサムシタケ

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虫ピン状の分生子柄の先端。

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分生子。

高尾山のコガネムシタンポタケ

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子嚢胞子は32個に分裂する。

同じく高尾山のGibellula。見かけは京都産のものとかなり違うが検鏡してみるとやはりGibellula leiopusのようだ。

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分生子柄束。

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分生子柄。

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分生子。

アブラムシから生えた白糸状の虫草もこちらのものと違いはない。

東京から帰ってから一度(7月14日)例の大発生坪を見に行ったが、すっかり下草が刈り取られていた。この場所は毎年このように人の手が加わっているはずだが、このような環境に何種類もの虫草が適応しているのは驚くべきことだ。

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ちょうどよさそうな熟度のツブノセミタケを2体持ち帰った。この坪のものは意外に深くなくて簡単に掘り出せた。寄主はヒグラシ。

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子嚢胞子は128個に分裂する。クチキムシツブタケよりわずかに短かめだが、ほとんど同じといっていいだろう。
  1. 2006/07/18(火) 22:11:34|
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高尾山

2006/07/10~11

グループ展のため東京に行った。6時半に家を出たが9時半ごろにはもう着いてしまった。画廊に行って展示を済ませた後、例年通りオサムシタケを探しに出かけた。今年は今迄に行ったことのない場所に行ってみようということで世田谷区のK公園へ。ここは非常に広くて、かなり整備された所が多いが森のようになった場所もある。

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かなり歩いてちょっと土手のようになった場所をみつけたので早速調べてみると、予想通りオサムシタケが出ていた。


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掘ってみるとなかなか形の良いアオオサムシの成虫が出て来た。結構たくさん出ていたが5体ほど採って持ち帰った。

翌11日はイグチさんに案内していただける予定だったが、電話番号の写し間違えでなかなか連絡が付かず、出かけるのがかなり遅くなってしまった。しかし電車の連絡がスムーズに行って午後1時過ぎには高尾に着いた。高尾山は日本の虫草研究の出発点となった言わば聖地のような場所で、一度は来てみたいと思っていた場所だ。イグチさんに寄れば週末には人で溢れかえるほどだということだが、月曜でも充分人が多い。ケーブルカーで山上へ。京都と違ってブナ科の巨木が多い。ターゲットはコガネムシタンポタケということで倒木を見て廻ったが、時期が遅いのか全く見つからない。吊り橋のところで沢に降りて集中的に調べることにした。

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アオキの葉裏を調べると気生の虫草がいくつか見つかった。未熟なGibellulaや未熟なハスノミクモタケらしきもの、アブラムシから生えた白糸状の虫草(Hirsutella の仲間)などだ。

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そのうち沢沿いの斜面の倒木からコガネムシタンポタケも二体見つかって、一応の目的は達せられた。
山頂を経由して別ルートで下山。ここは沢沿いの道で、気生の虫を調べるにはとても良さそうだ。時々葉裏を見てみるとGibellulaAkanthomyces novoguineensisが見つかった。

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ここのGibellulaはなかなか派手で良い。シンネマは棍棒型でGibellula leiopusと思われる。帰る時間を気にして駆け足での調査になってしまったが、非常に魅力的な場所だった。東京まで1時間は思ったより便利だが、それからさらに3時間かけて帰るのはやはりしんどい。
  1. 2006/07/14(金) 08:41:35|
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大発生その後

2006/07/07

ヒメクチキタンポタケの大発生を発見してから二週間になる。この日誌を読んだO沢さんから見てみたいという連絡が入ったので、ちょっと確認に行った。24日に某きのこ会が入っているのでかなり減っているはずだが、下生えの草やシダを掻き分けるといくらでもみつかる。マユダマタケの重複寄生を受けて白くなっているものも多いが、やはり軽く三桁はあるだろう。他にクモタケツブノセミタケも多い。

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中にツブノセミタケにしては繊細過ぎるようなものがあったので掘ってみるとキマワリの幼虫が出てきた。どうやらクチキムシツブタケのようだ。この種はK寺では普通コメツキムシの幼虫に付くのだが、キマワリの異常発生で寄主違い寄生をしたのだろう。近くを探すとさらにいくつかみつかった。

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草を掻き分けて調べているうちに数ミリ程の赤っぽい小さな虫草らしきものを見つけたが、うっかりギロチンしてしまった。あわてて周りを調べ直すと同じような小さな虫草が5、6体みつかった。寄主はイモムシのようだが、鱗翅目か甲虫目かさえわからない。何体か持ち帰って調べることにした。

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小型のサナギタケのような形だが、ヒメサナギタケともホソエノコベニムシタケとも違う印象だ。

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検鏡してみるとなんと子嚢胞子がヌンチャクのような形をしている。この形の子嚢胞子は見覚えがある。以前N内さんに教えてもらったのだが、ハチの繭から生えるサナギタケに似た不明種がこのヌンチャク型のはずだ。この種なら近くで見たこともあるので出ていても不思議ではないが、寄主の違いが気になる。
  1. 2006/07/08(土) 10:43:58|
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