Gibellula属の比較

2006/2/7

ギベルラタケという和名はGibellula aranearumという種に対応するとされているが、どうやら特定の種ではなくGibellula属の菌の総称のような使われ方をしているようだ。きのこ図鑑や写真集を見ても、G.leiopusと思われる写真が出ていることが多い。それではG. aranearumとはどんな種かというと詳しいデータがよくわからない。『昆虫病原菌の検索』によればG.pulchraのシノニム(異名)のようだが、G.pulchra自体も外見や分生子の特徴がさまざまでとらえどころがない。
同じ寄主上に同居する完全型のTorrubiellaからG.globosaG.globoso-stipitataと名付けられているものもG.pulchraと区別できないとされている。
どうもこの属はあまり整理されていないようだ。
そこで、今まで撮り溜めた写真をもとに、Gibellula属の菌をいくつかのタイプに分けて外観、分生子柄、分生子などの特徴を比較してみた。

Type1
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寄主の体表は淡黄色から黄褐色の菌糸膜で覆われる。シンネマ(分生子柄束)は棍棒状でその上半部あるいはほぼ全体に薄紫色のコロニーを生ずる。柄は淡黄色。分生子柄は非常に短く、密生し、上方だけにフィアライド(分生子形成細胞)が付く。分生子は長楕円形、3.5~4.5×1.5~1.7μ

Type2
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シンネマは羽帚状、薄紫色で柄は淡黄色。分生子柄は長く曲がりくねり、先端に球状にフィアライドが付く。分生子は長楕円形、3~4×1~1.2μ

Type3
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寄主の体表は白色の菌糸膜で覆われる。シンネマは猫の尻尾状、薄赤紫色で柄は白。先端はなだらかに細くなる。分生子柄はやや短く真直ぐ、先端に球状にフィアライドが付く。分生子は細い長楕円形、5×1~1.2μ

Type4
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シンネマは猫の尻尾状、薄紫色で柄は淡黄色。先端はやや膨らむ。分生子柄は中ぐらいで真直ぐ、先端に球状にフィアライドが付く。分生子は楕円形、2.5~3×1.2μ

Type5
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寄主の体表は白色から淡桃色の菌糸膜で覆われる。シンネマは鞭状で先端が紡錘形に膨らむ。全体が白色から淡桃色で先端部は淡黄色。シンネマの先端部を除く全体に分生子柄が散生する。分生子柄はやや長く真直ぐ、先端に球状にフィアライドが付く。分生子は紡錘形、3~4×1.5~2μ

一応Type1がGibellula leiopus、Type2~Type5のどれか(あるいはいくつか)がGibellula pulchraだと思われる。
  1. 2006/02/07(火) 15:14:01|
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冬のギベルラ

2006/02/03

随分長いこと山に行けなかったが、グループ展の作品が一段落ついたので久しぶりにK川に出かけた。林道工事が2月末まで続いているので、それを避けてクモ谷に向かう。秋にあまり虫草が出ていなかったので、今の時季に新しいものが見つかる可能性は低い。

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相変わらずGibellula leiopusと思われる1cm以下の小型のギベルラが数多く見られる。

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大半がすでに古びて別の菌の重複寄生を受けている。

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別の種類のギベルラが一体見つかった。普通に見られる種類だが、なかなかきれいなので持ち帰って検鏡することにする。

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分生子柄束の先端は膨らんで、少し下の部分から分生子柄がやや疎らに生えている。寄主の体表にも分生子柄が密生している。

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これは体表から採ったもの。

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分生子はやや小さく紡錘形。

一応Gibellula pulchraと思われる。
  1. 2006/02/04(土) 13:53:51|
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